強面バンビは逃走中
かわいい仕草上級編と称して、練習で告白させてから一週間。
俺は、わけのわからない感情に支配されていた。
あの後、小暮の顔をまともに見れなくなり、まるで逃げるように小暮を置いて温室から飛び出した。
『…す、き』
真っ赤になって、そう言った小暮の笑顔が離れない。
あの笑顔を、向けられる奴が居る。
それを想像するだけで、わけのわからないもやもやとイライラが胸の中に溜まっていく。
この溜まった物が、なんなのかわからない。
あれから一週間、今日は恒例のかわいい仕草練習日だ。あんな風に飛び出したので、なんだか気まずい。
どんな顔して会えばいいかと生徒会室で頭を抱えてもんもんとしていたら、そんな俺を見ていた他の役員が怪訝な顔をして声をかけてきた。
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