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6

紫音と梨音が花壇で掃除をしている頃、晴海と克也はredを全員呼び出していた。この日、晴海たちはとうとうスネイルの奴らがアジトに集まる日だと探り出すことができたのだ。克也と晴海はいち早く奇襲をかけるために全員を緊急召集した。

「いいか!今から俺たちredは、スネイルに対して総攻撃を掛ける!やつらは今の時間、新しいアジトに全員を呼び寄せて同じくこちらへの攻撃を仕掛けるために動き出そうとしているはずだ!やつらに先を越されるな!一人残らず叩きのめせ!」

克也が叫び、皆がそれに応え今まさに出かけようとしたその時である。

「総長、副総長!」

駆け込んできた下っ端は、真っ青な顔をして克也と晴海に梨音と紫音が掃除から戻っていないことを告げた。

「すみません!見張りの者が少し目を離したすきに花壇の所から二人ともいなくなって、掃除が終わって帰ったんだろうと思っていたら、寮の係の者が『こちらに向かった形跡がない』と…」
「姿を見たものは?」
「いません。木村梨音はともかく、紫音の方は大きいので姿を見落とすということはありえません。」

梨音だけでなく、紫音まで。
報告を受けた二人はしまった、と頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。まさかとは思いたい。だが、紫音の姿まで見えないと言うことは、奴らにさらわれた可能性の方が高い。奴らが、学校まで危険を冒してまで梨音を攫いに来るはずなどないだろうと高をくくっていた。

克也は舌打ちをして、すぐにヘルメットをかぶりバイクに跨った。
続いて晴海もバイクに跨り、エンジンを掛ける。

「どうせ今から殴り込みに行くところだったんだ。やつらが梨音を盾にする前に救出できれば問題ない。」
「…」
「晴海」

無言でバイクに跨り、ハンドルを強く握りしめる晴海に克也が声をかける。

「大丈夫だ。あのクソガキが黙って攫われたままでいるはずがねえだろう。逆にスネイルをぶっ潰してくれてるかもしれねえぜ」

恐らくは晴海の気を少しでも紛らわせようと言ってくれたのだろう。克也の言葉に晴海は無言で頷き、ぐっと前を見据えた。

「行くぞ!」

克也の掛け声の合図とともに、redはスネイルのアジトへと向かった。

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