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8

ゲームセンターに向かう4人は、街中で注目を浴びた。それもそうだ、克也と晴海はかなりのイケメン。二人でいるだけでも相当目立つ。そこに、まるでアイドルのように可愛らしい梨音までがいるのだ。

女の子の視線は全て二人へ。それに混じり男からの視線が梨音に注がれる。
とはいえ、梨音の傍らにはぴたりと紫音が寄り添い梨音を見る男たちにことごとく殺気のこもった視線を向けるのですぐ逸らされるため梨音には気付かれてはいないが。

「うわあ…!」

ほどなくして、4人は目的のゲームセンターへと到着した。初めて見るその世界に梨音は口を開けて圧倒されている。紫音もどこかきょろきょろと落ち着かない様子で周りを見渡し、梨音の手を強く握りしめた。

「梨音、あれがUFOキャッチャーだ」
「えっ?あ、うん!わああ、かわいいぬいぐるみがたくさんだあ!」
「どれが欲しいんだ?」
「えっと、えっとね…」


克也が振り向き、機械を指さしてほしいものを訪ねると梨音は紫音の手を離し克也の隣にたたた、と駆けていってしまった。
あ、と紫音は梨音を追いかけようとして、克也の隣でキラキラとした目をして機械の中にあるぬいぐるみを見つめている梨音にまあいいか、と引き止めるのをやめる。
そして二人の後ろでポケットに手を入れて楽しそうな二人を眺めた。

「梨音ちゃん、嬉しそうだねえ」

紫音の隣に、いつのまにやら晴海が同じようポケットに手を入れて立っていた。
紫音はこくりと頷き、視線を梨音と克也に向ける。晴海は同じように克也たちを見る振りをしながら隣に立つ紫音の横顔をちらりと見た。

私服を見るのは初めてだ。

胸元が大きくVの字に空いた五分丈の白のシャツに黒のジレを着て、同じく黒の細身のパンツを履いている。全身モノトーンで纏めているせいか元来の強面が余計に強調され端から見るとかなりの威圧感だろう。



…意外に、腰細いな…。それにあの胸元、シルバーのネックが鎖骨に当たって超エロ…



って、俺、何考えてんの!!!



晴海が慌てて頭を振ると、紫音が不思議そうに首を傾げた。そして、そっと晴海の耳元に近づく。

「先輩、どうしたの?頭痛い?」
「…っ!」


ふいに耳元にかかる紫音の吐息に、晴海は飛ぶように顔を上げて距離をとった。

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