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6

「わかんない…。」


首を振る梨音に、そっかぁ、と返してハンバーグをほおばる。

「ぼくにどこについてきて欲しかったのかな?また、呼び出されちゃうのかな…。」

じわりと涙を浮かべる梨音を見て、紫音は大丈夫!と胸をたたいた。

「もう、行かなきゃいいんだよ!俺がいつもみたいに断ったげるから!ね、りーちゃん。心配しないで。俺が守ってあげるから!」
「…ありがとう、しーちゃん」

紫音の力強い言葉に、梨音はふにゃりと安心して笑顔を向ける。

「でも、もう一人の人も怖かったね。…しーちゃんがすごく睨まれちゃったから怖かった。」

そういえば、もう一人ひどく存在感のある男がいた。確か、晴海とか言ってたっけ。

自分を睨むその目を思い出して、紫音はぶるりと震えた。

「僕、しーちゃんがひどい目に遭うのやだよ。ね、しーちゃん。いつも守ってくれて嬉しいけど、別にいいからね。絶対に絶対に危なくなったら僕なんか気にしないで逃げてね。」

ひどい目に、合うのだろうか。帰り際、自分に向かい『覚えてろよ』と低い声で威嚇してきた。


「大丈夫だよ。りーちゃん、学校で絶対、俺から離れちゃだめだからね。」


逃げたりなんかするもんか。梨音のためなら、殴られることぐらいなんてことない。


その後、たわいのない話をして食事を続ける。二人で仲良くお風呂に入り、紫音は梨音の髪に、梨音は紫音の髪にドライヤーを当てながらくすくすと笑いあう。
紫音は自分とは違う柔らかで茶色いふわふわの髪をいいなあ、と触る。


一日が終わり、双子はまるで子猫のように一つのベッドで寄り添いあって眠りについた。


end

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