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「いやいや、これはないだろ…」


ルンルン気分で体育館裏に向かった俺は、そらもうがっくりきたさ。
かわいこちゃんを想像してたのに、そこにいたのは不良。


名前は確か小暮鉄男。俺より高い身長190センチ。二重だが切れ長のつり目は、人をそれだけで殺れるんじゃないかってくらい鋭い。
噂でしか聞いたことはないが、鉄男って!似合いすぎだろ!な、かなりの強面で、どっかのチームの総長かなんかじゃなかったっけ。


うん、もしかしてたまたまここに居ただけかも。手紙をくれたかわいこちゃんはまだ来てないだけかもしれない。


「綾小路桂…手紙…」


うん、こいつで間違いないらしい。手紙って言ったしな。
そして何だか頬を染めてモジモジしてる。
はっきり言ってキモい。


「あー、小暮?悪いな、俺お前みたいなん範囲外、アウトなんだわ。諦めてくれないか?」


俺はだめな奴にははっきり言うことにしてる。曖昧にしてやっかいなことになる前に、恨まれてでもスパッと未練を断ち切ってやった方がそいつのためだろ?


「やっぱ抱くなら小柄な方がいいし、俺、こういう最低な奴だからごめんな?じゃあ」
「ち、ちが、待って、待ってくれ!」


立ち去ろうとした俺の手を、小暮がつかんだ。

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