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6

生徒会長として仕事を始めて一週間がたった。太陽はようやく落ち着いた仕事にほっと一息を吐き出す。ようやく、ひと段落した。ここ一週間、電話でしかアキラの声を聞いていない。会いたい。会って抱きしめたい。あの甘い声を、直接この耳で聞きたい。

今晩、必ず会いに行こう。一週間分、思い切り甘えよう。甘やかしてあげよう。

今日の夜の事を思い浮かべ、一人にやついていたら生徒会室の扉がノックされた。途端に姿勢を正し、咳払いを一つする。

「どうぞ」

扉を開いて現れたのは、崎田だった。

「どしたの?珍しいね」
「…」

崎田は何かを思いつめたような表情のまま視線をさまよわせている。…なんだろうか。嫌な予感を感じたその時、崎田がそっと制服のポケットから一通の手紙を差し出した。

「…唐津先輩に頼まれたんです。薬師寺君に渡してほしいって。」

アキラが?
怪訝に思いながら、崎田からそっと手紙を受け取り、中身を確認する。
読み進むうち、太陽の顔がみるみると青くなっていった。

「…行って。行ってください。今なら、間に合います。黙っててくれって言われたけど、そんなことできない。会って、一言でも話を。20時の飛行機です。」
「ありがとう!」

太陽は手紙を握りしめたまま、生徒会室から駆け出した。

「空港まで!急いで!」

校門を出てすぐにタクシーを捕まえ、行き先を告げると太陽は握りしめた手紙を胸に祈るように目を閉じる。
今の時刻は午後5時15分。ここから空港までは車で二時間弱。

お願いだ。間に合ってくれ。

ただひたすらに祈り続けた。

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