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3

その次の日。崎田は自分の味方である一年生たち数十人と共に、校舎裏に来ていた。

「お待たせ。悪いな、急に呼び出して」

そこに現れた人物に、全員が注目する。崎田たちを呼び出したのは、アキラだった。

「何の用ですか〜?」
「え、もしかして文句でもいうつもり?」
「ふふ、悲劇のヒロインぶってんじゃないの?ばかみたい」

皆が口々にアキラへバカにするような言葉を投げつける。アキラはその中心に、どかりと腰を下ろし胡坐をかいた。

「崎田。ケリを着けよう。」

自分を真正面から見つめながら言うアキラに、崎田は目を見開いた。

「崎田だけじゃない。ここにいる皆、太陽が好きなんだろう。平凡な俺があいつの恋人なのが気に食わないんだろう。」

アキラの言葉を、その場にいる皆が怪訝な顔で聞いている。アキラは以前堂々とした態度を崩さない。

「崎田。お前は俺に『あいつに本気じゃないのならやめろ』と言ったな。…答えが出た。俺は本気だ。太陽を好きだ。」

崎田はさらに大きく目を見開いて、アキラを見た。…本気。今はっきりと、アキラが口にした。その声は、凛と高く響き渡る。

「だから、こそこそと嫌がらせなんてやめろ。受けて立ってやるよ、今この場で。お前らの不満全てを。殴るなり蹴るなり、すきにしろ。気のすむまでやれ。逃げたりしない。全部受けてやる。」

崎田を初めとする一年生達は激しく動揺した。確かにアキラに嫌がらせをしてはいたものの、それは集団と言う隠れ蓑の中陰で行っていたのでこうも面と向かって言われるといざ手を出すのは戸惑われた。

どうする?
殴れって言われても…

「そこまでに願えますか」

ざわざわと騒ぎ出す中、新たに幾人かの生徒が現れた。宮下率いる風紀委員だった。途端に集まった一年生達は顔色を変えた。だが、そんな中アキラは表情を変えずに宮下達を見た。

「悪いけど見逃してくれるかな」
「それは承知いたしかねます。あなたがけしかけることは、万が一行われれば集団暴行となります。風紀委員として見逃すわけにはいきません。あなたは薬師寺さんのお気持ちを無駄にするおつもりですか?」

アキラは立ち上がり、宮下に正面から向かい合う。

「だからこそ、だ。これは話し合いなんかで解決できる問題じゃない。理屈じゃないんだよ。全ての責任は俺がとる」

アキラは一歩も引かなかった。そこまで言うと、くるりと向きを変えて今度は崎田の正面に立った。

「な、なに…
―――――――うあっ!」

ばしん!

突如目の前に立ったアキラに怪訝な顔を向けた崎田を、アキラが思い切りひっぱたいた。

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