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2

次の日の放課後、アキラは担任に言われ校舎裏の倉庫に資料を取りに来ていた。その時である。


「危ないっ!」


アキラは、突然後ろから来た人物に押され、その人物と共に地面に倒れた。と、同時にがしゃん!と何かが落ちて割れる音。
アキラが先ほどまでいた場所に、粉々に砕けた植木鉢が落ちていた。倒れながら上を見る。そう言えばここは一年の教室の真下だった。前にもバケツが落ちてきたっけ。
うかつな自分を嗜める。


「お怪我はありませんか?」


自分より先に起き上がり、手を差し伸べる人物。先ほどアキラを助けてくれた人物だ。自分より幼く見えるが、何年生だろうか。

「ありがとう…君は?なんでこんなとこに?」

手を取って起き上がり、礼を言う。と同時に疑問を口にする。こんなところにただ来てみただけ、何て奴はいないはずだ。するとそいつは、ちょっと考えてから口を開いた。

「本当は秘密裏にと言われたんですが…あなたにはごまかしがきかなそうですね。初めまして、私は風紀委員の宮下と言います。一年生です。薬師寺さんに頼まれて、あなたを護衛しておりました。」

宮下の口から出た言葉に、目を見開く。…太陽が、頼んだ?

「薬師寺さんは自分のせいであなたへ嫌がらせが行われていることを知って、風紀委員に頭を下げに来たんです。どうかあなたを護衛してほしいと。そしてそれは風紀委員だけではありません。彼は、一年生の自分の親衛隊や他の生徒たちにも呼びかけたんです。嫌がらせを、自分と共にできる限りでいい。阻止してくれないかと。
薬師寺さんは、崎田さんがあなたへの嫌がらせを激化させているのをご存知でした。相手を今逆上させて何かあってはいけないと、崎田さんとあなたにはばれない様に陰で動いていたのです。今、一年生は崎田派とアンチ派に分かれています。崎田派には、一切このことは知られておりません。」

アキラは、全身が震えるのが分かった。

『俺が、守る』

あの言葉は、嘘ではなかった。俺は、自分が我慢すればいいと。それが太陽の為なんだと思ってた。

「私が話したことは、どうか…」
「わかってる。…宮下、だっけ。ありがとう。感謝するよ。」

一つの決意を胸に、アキラは踵を返しその場を去った。

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