×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




崎田晃

次の日。今日は太陽が用事があると先に出たため、一人で登校していた。登校したアキラは自分に突き刺さる嫌な視線を感じた。

「なんだってんだ…?」

一年生のみならず、全学年からちらちらと視線を感じ、至る所からひそひそと話し声が聞こえた。不穏な空気を感じる中、アキラは教室へと向かった。


「おい!大丈夫か唐津!」


クラスに入るなり、仲のよい友人がばたばたと駆け寄ってきた。

「なにが?」
「なにがって、お前知らないの?すげえ噂になってんだぜ、俺気づいたとこは全部剥がしてやったけど、これ…」

差し出された一枚の紙切れを見て、アキラは言葉を失った。



『二年の唐津は魔性の男!学園の王子を天秤にかけている』



大きな見出しと共に、野々宮と抱き合うアキラの写真と、もう一枚。太陽と手をつないで歩いているアキラの写真が載せられていた。

野々宮との写真は、恐らく昨日のバケツが落ちてきた時のものだろう。太陽とは、朝の登校か。

「俺が朝来た時、掲示板に人だかりが出来ててさ。見たらこんなんが…。各階の掲示板に貼られてたから目に付いたとこは剥がしたけど、どれだけの人が見たかわかんねえし、もしかしたら剥がせてないとことかあるかも…」

申し訳なさそうに眉を下げる友人ににこりと笑う。

「ありがとな、大丈夫。」
「何かあったら言えよ。」
「そうだぜ、んな嫌がらせ気にすんな。」
「おれらは皆わかってっから!」

アキラを囲み、クラスメートたちが口々に励ましてくれる。
俺のクラスは、ほんとにいいやつばかりだ。アキラは心の中で頭を下げた。

[ 153/283 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]
トップへ戻る