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今初めて気づきました!と言わんばかりに驚く太陽に、眉間を押さえる。

「うっそだあ、そんなことないよ。だって崎田は俺を応援してくれてるんだよ?そんなそぶりなんて見せたことないもん」
「それ、お前が鈍すぎるだけだって…」

多分間違いないだろう。なんとなく腑に落ちなかった崎田の態度も、そう考えれば説明がつく。

「…でも、そうだとしても付き合ってるつもりはなかったもん。俺はアキラが好きだって言ってたし…。付き合ってるなんて、宣言したこともないんだよ?
で、でも、ア、アキラがそれで俺をいい加減だっていうなら、ちゃんと反省する。ごめんなさい。だから、今わかんなくても、ちょっと、ちょっとだけでも好きかもって気持ちを持ってくれてるなら、つ、つ、付き合ってほしい。そんで、俺をそばで見ててよ。お、俺、アキラにちゃんと好きだって思ってもらえるような男になるからさ。」


必死に手を握りしめ、泣きそうな顔で俺にお願いをする太陽。ガキの頃から変わんないその顔。俺、それに弱いんだよな。


「…わ、かった。付き合う。俺、お前と付き合うよ。」
「…!」

太陽の事を本気で好きかって言われるとわからない。でも、俺はこの数日、太陽の事で胸が痛んだのも確か。それがどういう意味かなんてわかんないけど、このまま終わりにしてしまいたくない。この気持ちを、太陽の側できちんと確かめたい。
俺の返事を聞いた太陽が、これ以上ないってくらい目を見開いた。

「で、でも忘れんなよ!俺の中でお前は今んとこいい加減で最低な奴なんだからな!つ、付き合うのは、わかんない気持ちのまま断るのは失礼かなって思っただけで…」
「うん、わかってる。わかってるよ、あっくん!俺、頑張るから!あっくんに、間違いなかったって思ってもらえるように頑張るから!」

太陽が、がばりと俺に抱き着く。ばか、ぎゅうぎゅう締め付けられて息ができないだろ!加減しろ!それになあ、

「…また、あっくんに戻ってるし」
「!ア、アキラって呼んでいいの?」

…こいつ、むかつく!俺から言わせる気かよ!

「いいよ、あっくんで。別に、何のために練習したんだって思っただけだし。」

俺、たぶん今顔真っ赤だ。あああ、俺のバカ。こんな言い方したら、まるで名前で呼んでもらいたいみたいじゃねえか!

真っ赤な俺を、負けないくらい真っ赤な顔をした太陽がものすごい笑顔で見てきた。

「ア、ア、アキラ!大好き!これからよろしく!」

そう言って、俺を抱きしめて震えながら口づける太陽に俺もそっと震える手を回した。


end

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