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4

「あ、あっくん…」


何も言わない俺に、おどおどと太陽が声をかける。


「あ、あの…その…」
「…なに」
「へ、返事がほしいんだけど…」


もじもじと指をいじる太陽の顔が見れなくて、ぶっきらぼうに言うと小さな声でそう言った。
返事ってなんだ。

「さ、さっき、俺、あっくんが好きだって…」
「あ、あぁ…」

途中の話が強烈過ぎてすっかり忘れてた。そういや告白されたんだっけ。
…告白。太陽が、俺に。


俺を、好き…?


理解した途端、顔に熱が集まるのがわかった。ヤバい。恥ずかしい。なにこれわかんない。
太陽の顔がますますまともに見れなくて、赤い顔を隠してそっぽを向く。

「…あっくん、やっぱり生徒会長が好きなの…?」
「はあ!?」


太陽の言葉に驚いて思わず顔が赤いのも忘れて太陽の方を向く。

「だ、だって、だって、さっきのあっくんの携帯、ハートマークついてた。お、俺の返事もくれないし…」
「ち、違うっつの!あれはあいつが俺の携帯に勝手に登録しやがったんだよ!野々宮のことはほんとにただのダチとしか思ってない。お前とはちが…」

言いかけて、慌てて口を塞ぐ。なに、俺今何言おうとしたんだ!?

「ほ、ほんと!?会長のこと、何とも思ってないんだね!?」

途端にきらきらとした目をして、がしりと俺の両手を握りしめる。握られた手が熱い。

「あっくん…、いや、あ、あ、あき、あ、あき、
…アキラ。」

何度もどもったあと、ようやく俺の名を呼ぶと顔を真っ赤にする。そして、握った手をさらにぎゅうと握りしめてきた。


「ほんとは、こんな形じゃなくてもっときちんと言おうと思ってたんだけど。
…アキラが、好きです。恋人に、なってください。」


いつもと違う、真剣な眼差し。恥ずかしい。逃げたい。でも、目を逸らしたらいけないような気がして、俺もじっと太陽を見つめた。



目の前にある顔は、太陽のはずなのに別人のようだ。凛々しく、どこかオスを感じさせるキリリとした顔。


『あっくん〜』


…あんなに、幼かったのに。女の子みたいで頼りなかった俺の大事な幼なじみ。

「いつも俺の後ばかり追いかけてきていたのになぁ…。」
「今でもそうだよ。アキラはいつも俺の前を歩くから。俺、振り向いてもらうのに必死なんだ。」

にこりと笑う太陽の顔に、胸が高鳴る。


「太陽…、俺、正直、自分の気持ちがわかんない。お前が崎田の事で俺を疑ったんじゃないかって思った時はすごくショックだった。それで今、そうじゃないって聞かされてすごくほっとした。
今、好きだって言われたことも嬉しいけど、この嬉しい気持ちが何から来てるのかわかんない。」


太陽の告白に、素直に今の気持ちを伝える。

「でも、それって、それって可能性があるってことだよね!俺の事、好きかもしんないってことだよね!!」

途端に太陽が、ぱあっと顔を明るくしてずいずいと前に出てくる。

「いや、その、だからわかんないんだって!そ、それにな、正直お前のいい加減さにあきれてんだからな!いくら崎田に言われたってなあ、そんなのどう考えても崎田はお前の事好きだろ!」
「え―――――!!」



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