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2

「何言ってんの?崎田に言えよ。練習?」
「ちがう!」

だって、『あきら』っつったじゃん。
ぽかんとして言う俺に、太陽ががばりと顔を上げて必死に否定する。


「俺、崎田と付き合ってないよ!」


俺は口を開けっ放して、ますますまぬけな顔をして固まってしまった。

「は?…え?なに?どういうこと?」

俺が問いかけると、太陽はびくりとしたあとゆっくり体を起こしソファの上で正座をしてきょときょとと目をさまよわせ、指をいじいじといじる。…これは、太陽が俺に隠し事を暴露するときにするくせだ。ガキの頃から変わらないな。


「…聞いてくれる?」


太陽の言葉に、無言で頷く。太陽は一つ深呼吸をして、真剣な顔で俺を見つめた。


「俺、あっくんが好きだ。友達とか、幼なじみのお兄ちゃんとかそんなんじゃなくて、もうずっとずっと恋愛感情であっくんが好きなの。
…でも、俺、ヘタレだから。あっくんに、そう言って嫌われるのが怖くて。それよりも、俺みたいなヘタレなんか冗談じゃないって言われるのが怖くて。見た目がよくなって皆から王子なんて言われるようになっても、自信なんて全然なかった。」


ぽつり、ぽつりと太陽の口から言葉が放たれる。


太陽が、俺を好き。


好き…。
言われた言葉を頭で何度も反芻する。なんで…?崎田は、なんなの…?



「あっくんがこの学園に入学したって聞いたとき、すごくショックだった。俺がこんなだから、あっくんは俺がイヤになって離れていっちゃったんだって。でも、俺あっくんと離れるのどうしても嫌で追いかけてここにきたの。…もう高校生なんだから、今度こそ頑張ろう。あっくんに告白して、つ、付き合ってって、恋人になってって言おうと思って…」


お前、やっぱり俺を追いかけてきてたのか。おかしいと思ったんだ、こいつは頭がいいからもっと上の学校だって行けたはずなんだから。
…そこまでして、俺と離れたくなかったのか…

…なんで俺、じんとしちゃってんの。なに、この気持ち。

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