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ヘタレ王子の真実

「太陽?」


いつもと様子の違う太陽に、首を傾げる。太陽はゆらり、と立ち上がり、アキラの腕をつかんでソファに押し倒した。


「太陽っ!?なにしてんだ、どけよっ!」


なぜ自分がそんな事をされるのかわからなくて声を荒げるも、捕まれた腕はソファに押し付けられびくともしない。

「…誰と、付き合うの?あっくん、好きな人いるの?」
「…っだから、それは仮定の話でっ…」


ピロリリン


説明しようとした時に、側にあった俺の携帯がメールの着信を告げた。

『真尋(はぁと)』

ディスプレイに表示された文字を見た太陽が、更に表情を無くして俺を見つめる。

「…確か、生徒会長、だよね。なに、名前で登録してハートまでつけて。生徒会長と付き合うつもりなの…?」
「ち、ちがう!これは野々宮が勝手に…
――――――――んん!!」

誤解を解こうとした俺の口を、太陽が塞いだ。


「んっ、ん――――!!」

ソファに押し倒されたまま、後頭部を手で押さえられ、もう片方の腕を腰に回ししっかりと抱き込まれ深く口づけられる。息がうまくできなくて胸板をどんどんと叩くと、散々俺の舌を味わったあとようやく口を離した。俺はすっかり息が上がってしまって、涙目ではあはあと荒い息を必死に整える。

「おまっ…、なに…」

力の入らない俺を、太陽は逃がさないとでも言うように抱きしめて離さない。

「…いやだ、いや、だ…!あっくん、ほかの誰かとなんて付き合わないで…!俺、俺…!
――――アキラが、好きなんだ…!」


「…………は?」


震えながらの太陽の告白に、自分のおかれている状況も忘れてマヌケな声を出してしまった。

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