「……ヤバい」
「えっ、なにが？」
「ね……」
「ね？」
「ねむい…ヤバい…」
「あー、そういうやばいネ。部屋戻るゥ？」
「んー…いやだ…もうちょっと…やすと喋る…」
「(可愛すぎかよ)そーお？けどマジで眠そうだぜなまえチャン、無理しねーで部屋戻れヨ」
「…やだ……」
「……寂しいんなら寝るまで側にいてやっからさァ。俺の部屋で寝んのだけはやめてほしいんだけど」
「いじわる…なら、ねむく、ないぃ…」
「嘘つけ目ェ閉じてんじゃねーか」
「……ん…」
「…え、うそ、もう？なまえチャン？」
「………すー…すー…」
「マッジかよおいなまえ！寝るなら部屋戻れ！」
「すー…すー…」
(くっそダメだァ完全に寝に入っちまった！こうなりゃちょっとやそっとじゃ起きねえぞこいつ！)
「すー…すー…」
(ああああああああああああああどうしよう。いやどうしようって部屋に運ぶしかねーだろこのまま一緒に寝て我慢できる自信なんかこれっぽっちもねーよふざけんなよなんでよりにもよってベッドで寝やがったんだよ！)
「すー…すー…」
(ああっ、くそっ、触りたい、撫で回したい、噛みついてやりたい、くそ、しっかりしろ俺の理性…！)
「すー…すー…」
(起きてる時でさえあんなに怖がんのに寝てる時に襲ってみろ絶対泣かれるし最悪長期間口利いてくれなくなる！いやけど泣いて嫌がるなまえなんか絶対そそ…だああああああああああああああやめろ落ち着け俺違うこと考えろ！)
「すー…すー…」
(あーなまえチャンは寝顔もすっげー可愛いなーどんな夢見てんのかなー今日相当疲れてたのかなー可愛いなー可愛いほんと可愛い俺のなまえチャンマジで可愛い食べちゃいたいくらい可愛いむしろ食べたい全部食べたい食わせろ俺はもう腹ペコだああああああああああああああまた余計なこと考えてるゥ俺ェェェェェ)
「すー…すー…」
(……ち…ちょっとだけなら、いいかな、バレねえ程度に、ほんとにちょっとだけ…さ…鎖骨か脇腹辺り…そんなチラ見せさせてるこいつも悪いよな…そうだよな…)
「すー…すー…」
(っ、やっべ、よだれ出てきた)
「すー……ん…」
(ちゅーするだけ…いや舐めるだけ…いやいやちょっと甘噛み…いやいやいやせめてキスマークだけでも…)
「……や、す」
「!!!」
「………ふふ、ふ…」
「……ナァニ、俺の夢見てんのォ？」
「すー…すー…」
「………ったく、人の気も知らねーで…」

結局そっと抱き上げて部屋まで運んでやった俺は本当に出来た男だと思う。




160131

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