よそでやれ | ナノ


真波くんと絡む  



「みょうじさーん」
「うん?どうした真波くん」
「………」
「……真波くん?」
「…うーん」
「うーん?」
「みょうじさんって、どうして俺のこと真波くんって呼ぶんですか?」
「どうしてって、真波くんは真波くんだからだろ?」
「そうじゃなくってー、うーん…ほら、荒北さんならやすとか、東堂さんならぱちとかって呼んでるでしょ?」
「ああ、あれか。あいつらとは付き合いが長いしなあ」
「俺にもなにか付けてくださいよ」
「え?」
「でもタダで付けてもらうってのもあれだからー…そうだ!次のインハイメンバー決めるレースで俺が勝てたら、なにか考えてくれます?」
「…それはダメだ」
「?」
「大事な勝負なのに、そんな賭け事みたいなことするのはダメだ」
「…あはは、それもそうですねぇ」
「そんなことしなくても考えてあげるけど」
「え」
「まなみさんがく……そうだな、がくとかどう?」
「………」
「あ、違う感じか?じゃあ、」
「いいです。がくがいい」
「そ、そうか?ならよかった。じゃあがくって呼ぶな」
「はーい…あ、もうこんな時間かあ。すみませんみょうじさん、俺呼び出されてるんでそろそろ行きます」
「呼び出しか?気にするな、行ってらっしゃい」
「せんぱーい、名前呼んでくださいよー」
「え?あー、行ってらっしゃいがく」
「あはっ、行ってきまーす」


(…やすの言う通り、ほんと不思議チャンだよなあいつ…)





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