よそでやれ | ナノ


広島弁講座  



(アンケネタ)
(洋南設定)
(待宮が洋南に進学してます)






「ぶち?」
「すごく、とかめっちゃ、とかいう意味じゃ」
「へーえ、ぶち美味しいとか?」
「ほうじゃほうじゃ。それじゃとぶちうまいが正解じゃのう」
「そっかあ。じゃけえ以外にもたくさんあるんだな!面白い!」
「当たり前よ。もっと教えてやってもええけど、どうする?」
「いいのか!?じゃあお願いします!」
「待宮先生に任しときぃ、エエ」
「待宮先生!!」


部室の隅で仲良さげにそんな話をしているなまえと待宮。こういう誰とでもすぐ仲良くなれるところはなまえの良いところだよなァさすがなまえチャンだなァと心の中でべた褒めをしていると後ろから肩を叩かれた。

「荒北、」
「…んだヨ金城」
「さっきからペンが止まっているように見えるのは俺の気のせいか?」

振り返るとそこには苦笑いした金城が。俺の前には未だ真っ白な今日の分の部誌。おかしいな日付を書いてからもう数分は経ってんのに一行も進んでねえなんでだろうオカシイナァ。

「なんだ、どうしたやす。珍しいじゃないか」
「なぁんでもねーヨ。すぐ終わらす」
「ほいじゃあまだ時間はあるっちゅうことじゃ。続きやろうやみょうじ」
「おう!お願いします!」

瞬間ボキィ!と大きな音をたてて折れたシャー芯。それに気付いたのは苦笑いしてる金城と憎たらしいほど極上の笑みを浮かべてる待宮だけだ。

(こ、ん、の、クソ駄犬待宮ァァァァ…!!)

わかってんヨそうだヨただの嫉妬だヨ悪いかヨ!待宮の野郎わざとらしくなまえに密着しやがって覚えてろよなまえがいなくなった瞬間フルボッコにしてやるっつーかいつの間にお前らそんな仲良くなったんだよニヤニヤしてんじゃねーぞ待宮ボケコラなまえもなまえで楽しそうにしやがってこんな状況で部誌なんか書けるわけねえだろああもうマジで腹立つ喚き散らしてえ。

普段ならこんな風に葛藤する前にぶちギレてるところだったが、運の悪いことについ最近この嫉妬深いところ控えろってなまえから怒られちまったんだよなァ。イライラして意地張ってそんなもん余裕だよバァカって宣言しちまったからなァ。しかもそれら全部知っててそうやって絡んでんだろなあコラ待宮。今すぐにでも部誌の角で頭ぶん殴ってやりてえのに。くそ。せめてなまえがいなければ。

「みょうじ」
「!」
「荒北はどうやら練習疲れでうまくペンが進まないらしい。手伝ってやってくれるか?」

き、金城ォォォォォォ!信じてたぜ金城オメーはそういう奴だったよなさすが福チャンのライバルだぜ金城いいぞもっとやれ金城!

「そのグラサンぶちかっこええのう!」
「………」
「どう?広島弁!すごくかっこいいねって意味だぞ!」
「…そうか。ありがとう」

いやありがとうじゃねーよなにほんわかしてんだ金城話そらされてるしちゃっかり頭撫でてんじゃねーぞ裏切ったな金城てめえ!!つかさっそく使ってんじゃんどんだけ広島弁に夢中になってんのォ!?上手く使えてよかったネ嬉しそうだネ可愛いちくしょう待宮どころか金城まで手駒にされちまった味方がいねえ!!天然怖ェ!!

くそ、もうダメだ、我慢の限界だ。また怒られようが関係ねえ。前回もそうだが元はといえば誰にでも尻尾振ってなつくなまえが一番悪いんだよそうだよ俺ばっかり怒られる筋合いねーんだよお互い様なんだよ!

頭の中で強引に解決させて、待宮と金城を威嚇するようにシャーペンをバン!と机に叩きつけた。なまえもその音に反応したがもう知らねえ。いい加減その天然タラシ直しやがれボケナスが。

「おいなまえ、オメーいい加減に」
「やす」
「あ?」
「手伝ってほしいならちゃんと自分で手伝ってほしいって言いなさい。わかった?」
「いや、そういう話じゃ」
「俺がちゃんと手伝っちゃるけえ安心せえよ!」
「………」

ひ…広島弁怖ェェェェ…!!









(チョロ北じゃ。チョロ北がおる)
(今日一番のデレ顔だな)










ネタ元:「わりと仲良くなってる待宮を遠ざけたい荒北」というコメントから
ありがとうございました☆



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