萌え日和










「やだやだ!やめて下さい!
絶対嫌です!!」

池袋に一人の少女の叫び声が響き渡る。

「いいじゃん、いいじゃーん。
ミカたん可愛いんだから絶対似合うって!」

「そうっすよ〜。ロリ顔のツンデレ美少女なんて現実世界にそうそういない貴重な存在なんすから!しかも敬語ときたもんだ!」

「正に萌えの宝庫だよね〜、ミカたんは!」

「意味がわかりません!離して下さい!」

必死に逃げようともがく少女だが、その身体は2人の人間にがっしりと捕まえられていて身動き一つ出来ない。
少女は、最早半泣き状態だった。
少女というのは来良学園に通う女子高生、竜ヶ峰帝人だった。
その帝人を後ろから羽交い締めにしているのが遊馬崎ウォーカーで、前からジリジリとにじりよっているのが狩沢絵理華だった。

何故帝人がこんな状況に陥っているかというと、学校帰りに相変わらず付き纏ってくるストーカー紛いなことを働く某情報屋をやっとこさ撒いて安心して座り込んだところに、この2人がニヤニヤしながら帝人に近寄ってきてあれよあれよという間にこんな状態になってしまったという訳だ。
それだけならまだいい。
帝人がここまで嫌がるのには理由がある。
それは、この2人が両手に握っている衣装たちのことだった。
明らかにアニメで見たことがあるような制服やら、メイド服やら、ちょっときわどい服まで多種多様な衣装たちが2人の両手には握られていた。
しかもそれを帝人に着せようとしているのだから、彼女がここまで嫌がるのも頷ける。

「僕、絶対着ませんよ!」

「帝人ちゃんが着なくても、僕たちがちゃんと着せてあげるんで問題ありませんよ!」

「何が!ありまくりじゃないですか!!」

「大丈夫大丈夫〜。
これ着せて、ちょちょっと写真撮ったらそれで終わりだからー。」

「全然すぐ終わる気配がなさそうなんですけど。」

「いやぁ、ミカたんの写真って結構高値で売れるからさぁ〜。いろんな用途で買っていく人がいるんだよねぇ。
まぁ、約一名はいつもキャッシュで大人買いしていくけど。
だから、最近は懐があったくてさ。」

「誰が、とは敢えて聞きません。聞きませんけど、勝手に人の写真を売るのはやめてください!」

「この間のは超高く売れたよねぇ、ゆまっち!」

「あー、確かに!プ○キュアのヤツとか絶○可憐チルドレンのとかのはヤバかったすよね〜。」

「個人的には長門ちゃんのが一番よく撮れてると思ったけどね〜。」

「それもかなり可愛かったすからね。」

「イザイザなんで鼻血出しながら百枚以上買っていってたよ!何に使うんだか。」

「それは、いろいろっすよ、いろいろ。」

「あー、男の子の事情ってヤツだなぁ〜?
まぁ、イザイザの場合額縁に入れた上に、部屋中に飾りつけて“部屋中の帝人君が俺を見てくれている!最高だ!”とか叫びながら高笑いしてそうだけどね。」

「それに、静雄さんも買っていきましたからね。
静雄さんの場合はオーソドックスな帝人ちゃんの隠し撮りを一枚だけお買い上げだったから、胸ポケットとかに入れて大事にしてそうっすよね。」

「わかるわかる〜!シズシズはああ見えてピュアだから、イザイザみたいにミカたんを邪な目で見てないんだよね。“絶対汚されない俺の聖域(サンクチュアリ)!俺の天使(エンジェル)!”とか思ってるんだよ!」

帝人を無視して繰り広げられる恐ろしい会話に、帝人は言葉を失う。

(臨也さんとはもう一生口きかないとして、何故静雄さんまで……。)

帝人がそんなことを考えていたら、バッと突然目の前に衣装が突き出された。

「今日は、け○おん!やらハ○ヒやら水着やらセーラー服やらいろいろ用意したから!」

「早速お着替えタイムっすよ〜!」

「じゃあ、いつものカラオケで撮影会といきましょうか!大部屋貸し切って貰えるようにイザイザに頼もーっと。」

「い、いやだぁぁぁぁぁ!!!」

ずるずると2人に引きずられながら叫ぶ帝人を救う者など現れる訳がなかった。

彼女の命運はいかに――――























パシャパシャパシャ

(やっぱりセーラー服にニーソは外せないわ〜)

(相変わらず何でも似合うっす!)

(本当!超超超可愛いよ!ミカたん!)

((萌え〜!))



(もうどうにでもなりやがれ)











end
こんな感じでどうでしょうか?完全に臨也とシズちゃんが変質者ですみません!
しかもヤンデレ要素が入っていない!本当すみません!


リクエストありがとうございました!

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