置行堀



夢の中の僕が

何度も何度も

呼んでいたのは

叫んでいたのは




君の名だったよ




去って行く 小さな背を

涙で歪めながら




掠れた声が

君を 君を

呼び続けていたよ




待って

行かないで

嫌だよ

お願い…




どんな言葉も

届かないまま消えていく




朝が来て 目が覚めて

今日も 本当の世界と出会う




やあ おはよう

どうやらまた眠れなかった




これ以上は苦しすぎるから

ひとつだけ

聞いてもいいかな




僕は この先

どんなふうに笑えばいい?




君の居ない




この世界で








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