雨恋



僕にとっては

悲しみの雫だ




静かな音を立てて

幾多の粒が落ちていく




特有の匂いが鼻の奥をつくと

それを待っていたかのように

新たな雫が零れていく




カサついた僕の頬を

ただ ただ 濡らしていく




どこか遠くへ

洗い流して欲しいなんて

望んだりはしないから




だからせめて

愛しい音で

切ない匂いで




踊るように

注ぐように

降ってくれと 願う










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