CO2



ふわりと宙に浮いて

ゆらゆらと揺られながら消えていく




目に映れば綺麗なモンにも

見えるかもしれないけど残念だ

どうやら排気ガスに似た有害物質




唇からひとつ ふたつ

多けりゃみっつ よっつ いつつ

さっき出たばかりなのに、と

独りなのにも関わらず笑った




渇いた空気の中

何でもないように消えていく




溜め息なんてついてたら

幸せが逃げるよ なんてさ

馬鹿げたことを言われたことがある




面白いことを言うなあと

感心したようなフリしながら

空虚に笑うしかなかった




逃げていく幸せなんか

あいにく持ち合わせちゃいないよ




なんて小声で付け足して




いやでもよく考えたら

僕の方こそ馬鹿げてるよ

幸せじゃないくらいで

有害物質を吐き出すし

いいことなんてありゃしないのにな

僕がここにいたってさ




可笑しいね

なんて可笑しな生き物だろう




そうだと分かっているのに

何度も何度も

重たい呼吸を繰り返し

生きようとしてるんだから




可笑しいね

不思議だね




僕は一体どうしたいんだろうな




考えるうち頭痛がし始めて

その痛みすら面白くて

僕はまた空虚に笑った








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