ひとりぼっちの泣き虫



こんなに狭い世界で

ひとりぼっちが膝を抱えて

どんなに泣いても

誰も気付いちゃくれない




だったら泣いたってしょうがないだろって

僕の中の僕は言うし

正直僕だって気付いてはいるけど

けど やっぱり

泣きたくなるんだから

それだってしょうがない




でもね

不思議なんだ




泣いて

泣いて 泣いて

泣いて 泣いて 泣いて




これでもかという程に泣いた後は

ずっと強張っていた身体から

不必要だった力がすっと抜けていく

そんな感覚がしてさ




 もういいよ

 そんなに頑張らなくても

 怖がらなくても

 君は君でいいんだよ




随分と壊れちゃった

耳のせいなんだろうけど

誰かが言ってくれてる気がするんだ




だからね

泣くのは悪いことじゃないでしょ?

僕は僕のために泣けているでしょ?




僕の中の僕は溜め息をついて

本当にしょうがないなって笑ってる




まるで

全てから解放されたみたいな

軽い身体を放り出して寝そべる




僕はひとりぼっちの泣き虫




ああ

これでいい




これでいいよ








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