思似体



結局君だって

君のことが一番大事だっただろ




だから僕には

もう近付いて欲しくなかった

消えて欲しかった

そうなんだろ




僕だって

自分が味わったことの無いことを

勝手な考えで押し付けたりするような

馬鹿じゃない

それこそ分かってくれてると思ってたよ




自分の言っていることが

正しいと思ってる

君だって同じなのに




嫌いなら嫌いだって

そう言ってくれれば

僕はこんなに深く傷付かなかった




僕のことをまだ好きなフリをして

心ではとっくに遠ざけていたこと

その事実を知ったとき

どれほど死にたくなったか

君に分かるかよ




君ならいいか




君に殺されるんなら

それでもいいか




そうとまで思ったことも

知らないんだから可笑しくてたまらないよ




君は僕に傷付けられたと言うだろう

でも 今も君の周りには

君を愛してくれる人がいる

優しく癒してくれる人がいるさ




なら 僕は君に

死にたいと思わされた事実を

独りになった今 どうやって拭い去ればいい




独りで笑えばいいか

独りで泣けばいいか

独りで怒ればいいか

独りで狂えばいいか




こんな僕を知らずに




今どんな思いで

君は生きているんですか?




こんな話を聞いてさ

死にたいと思うことが

僕のせいだと笑うのなら

それでも構わないよ




もう

それで

構わないよ








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