例えばの話



例えばの話




ある日突然

極端に言えば明日にでも

ここに在る僕の身体が




パッ、って




まるで手品みたいに

消えちゃったとしようか




そしたらさ

君にも気付かれないまま

この世から居なくなっちゃうのかな?




身体が消えちゃうんだから

どんなに叫んでも

君の名を呼んでも

聞こえないんだろう




面白いね

可笑しいよね




例えばの話

単なる空想

だからそんなに

怖がんないでいいよ




代わりと言ってはなんだけど

僕の手のひらを握っていて欲しい

ちょっとカサついてるけど我慢してね

この声を聴いておいて欲しい

ちょっと掠れてるけど気にしないでね




たった一瞬でも

ほんとに僕の身体が

ここに在ったことを

憶えていられるように




怖がんないでいいよ

例えばの話

もしもの話




多分、ね…(笑)










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