運命



君の視線を奪うほどの

魅力なんてもんが

見た目にも中身にも無いわけで




結局のところ

僕はこんなふうに

生まれてきてしまったので

君の好きな見た目にも中身にも

なれないわけです




思想 考え方

変えられるものがあっても

トランプ繰り返し裏返して

遊ぶかのように

性格まで変えるのも違いますんで




それは

あまりに魅力的で

酷く無責任な言葉




知ってるでしょ?

運命 なんてさ

空気中溜め息で埋まるほど

浅はかで くだらないんだ




どう頑張っても 努力を積み重ねても

君好みになれないのなら

この欠陥品にさ

メスでも入れようか?

催眠術でも掛けようか?




考えれば分かるよ

幼い子供でも分かる




くだらないだろ

くだらない




でもそいつに逆らうのは面倒だし

そう簡単にはいかないし

成功するとも限らんし




だからね結局僕は

つまり 要するに

君を諦めるしかないんだ




“残念でした”




そんなふうに笑ってんだ

いつもと変わらない表情で

僕にはそう見えるんだ




それが僕にとって

御丁寧なサヨナラを意味してて

御本人に気付かれないまま 御別れだ




バイバイ

バイバイ




返事すらきちんと返ってきたような気がした








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