唇
僕の鼻の下の方
ああそうさ この唇が
喧しいほど 鼓膜がガタガタいうほど
真っ黒い言葉を吐き続けて仕様も無い
ただ吐くだけの 吐き散らすだけの
そんな穴なんだったら要らんのにさ
けど仕様も無い
吐きたいだけ吐いたら今度は
息を吸いたいだのなんだのって
また喧しい 鼓膜痛い
面倒だなあなんてのも吐いては吸って
衰退すら吸いたいのって ああ煩い
いっそのことこんなもん
要らんと思うから 縫い付けたい
けどやっぱ あれがああだし
もうなんか どうでもいい
喧しい 鼓膜もガタガタ
その振動が脳まできちゃって
痛いトコだらけで フラフラで
辺り一面既に闇
そいつに塗(まみ)れてしにたくなって
何も見えないとか喚き出す
全部全部
自分の身体が生み出して
この穴が吐き出したもんなのにな
喧しい 鼓膜痛い
喧しい 鼓膜痛い