未来



僕はいつも

悲しみや苦しみに出会ったとき




これ以上の悲しみは現れないだろう

これ以上の苦しみは現れないだろう




そんな風に

未来にかじり付くようにして

這いつくばるようにして

乗り越えてきた




だけど

自分の目には見えない

柔い塊に出来た傷が

どんどん深く大きくなっていく

痛くて痒いような

不快な感覚ばかりがして




そのうちに

未来をかじるのは嫌になって

食い滓(かす)みたいな過去を

捨てるんだかとっとくんだか

目が回るほど迷ったりして




もう無理なのかもなって

そんな気までしちゃって




這いつくばるのもやめにしたくなって

嬉しさや楽しさとは出会えないんだって




うつ伏せのまま

かろうじてしてた息をやめるんだろうね




僕が最後選ぶのは

きっとそうなんだろうね




ちっとも

おいしくなんかない未来だ




悔しいなあ








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