一面に広がる地を踏めば

耳障りな音がする。




僕の声は

君には届かなくなった。

きっとそうなんだと思う。




今何処でどんな風に過ごしている?

ずっと気にしてないフリをしてきたけど

本当は頭の中が撹乱するほど

君のことを考えているんだ。




本当は

僕の全ての細胞が

君の名を叫んでいるようで。

胸の奥から湧き上がる痛みに

涙を流し、必死に耐えながら

眠りにつく日ばかりが刻まれていくんだ。




60兆の群れが

君を呼んでいるんだよ。

60兆の群れが

君が好きだと言って止まないんだよ。




助けて。




これが僕の声。

君に助けて欲しい。

僕を、痛みと苦しみから解放できるのは

君しかいないんだ。




じゃり、と乾き切った音。

それがあまりにも空虚で

歩みを進めていくだけで苦しくなる。




助けて。




それでも。

届かないことを知っていても、僕は

この声で君を呼ぶのをやめはしない。








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