エスケープ
何もかも勝手な思い込みだ。
自分と同じ色だと、そんな気がしていたのに。
僕とは違った。
君は人気者だった。
こんなに早く、見えてしまった。
ひとりぼっちの未来の自分。
もうあんな思いは嫌なのに。
この傷が深くなってしまうのなら。
またあの胸を締め付けられるような痛みに苦しむのなら。
逃げてしまいたい。
逃げた僕を、君が追いかけてくれたら。
その手で掴まえてくれたら。
抱きしめてくれたら。
これこそが、単なる思い込みだと。
君が笑ってくれたら。
この心が、どんなに救われるだろう。
どうか、どうか。
君が僕を忘れませんように。