ぎんいろのシール



『…で、できた…』

てつぼうにつかまったまま、かぐらとしんぱちをみた。

『ぎんちゃん!やったアル!!』
『すごいよぎんさん!じょうずだったよ!』

おきあがって、じめんにたつとふたりがはくしゅしながらわらった。

『これで、さかあがりがれんしゅうできるネ』

せなかをぽんぽんたたかれて、おれはうれしくってすこしないた。
ちょっとだけおなかとてがいたいけど、うれしいきもちにまけていた。

『へ、へへ。ふたりのおかげだ…』
『そんなことないよ、ぎんさんががんばったからだよ!』
『ううん。ふたりがいてくれたから』

うでで、すこしのなみだをふいて、ふたりをちゃんとみる。

『ありがと…』

かぐらとしんぱちもうれしそうにわらった。

ほかのみんなはとっくにさかあがりをれんしゅうしてたけど
おれはふたりといっしょにまえまわりをれんしゅうしてた。

はずかしく、なかった。

ふたりがいっしょだったから。

せんせいにできたっていったら、たくさんほめてくれた。
おれだけじゃなくて、かぐらやしんぱちのこともほめてくれた。

さかあがりのれんしゅうをはじめるまえに
たいいくのじゅぎょうがおわっちゃったけど。

でも、まえまわりができるようになったから
うれしかったから、おれはそれだけでよかった。





『…あいつ…』
『さかた、ぎんとき…だろう?』
『ぎん、とき…。…おもしれーやつだなァ』




 ― 放課後 ―


おれとかぐらとしんぱちは
せんせいによばれてしょくいんしつにきた。

いつもあんまりこない、せんせいたちのへやだからすごくドキドキする。

『銀時くん、神楽ちゃん、新八くん』

ひとりひとりなまえをよんで、せんせいはじゅんばんにおれたちのめをみた。

『前回り頑張ったね。先生ね、三人にいいものあげたくて呼んだの』
『なにアルか〜?せんせい、おかしアルか?』
『かぐらちゃん…おかしって…』
『ううん、お菓子じゃないけど…これ!』

せんせいはぎんいろにひかる、きらきらシールをいちまいずつくれた。
じゅぎょうでくれるやつよりもおおきい、すごいシールだ。

『銀時くんすごいよ、頑張ったね。神楽ちゃんも新八くんも一緒に頑張ったあげたね』

おれとかぐらとしんぱちのあたまをぽんぽんしてえらいえらいっていってくれた。
またうれしいきもちがして、さんにんして、かおをあかくしてわらった。

『ありがと、せんせい』

そういうと、せんせいもうれしそうにわらった。


おれたちは、みんながかえったあとのだれもいないきょうしつにもどると
ランドセルをしょって、もらったシールをみながらげこうした。


『ふっふ、なんかうれしいアル』
『そうだね、はじめてもらったよこのシール』
『…うん。すげー、キラキラしてる…』

まんなかにほしがかいてある、ぎんいろのシール。
さんにんおんなじの、シール。

だいじにしよ、っておもった。



。。。






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