伝染ユートピア
最上階から
落ちていくような
そんな感覚がする
勿論本当に落ちているわけじゃない
だから死んじゃうわけじゃない
でも
何でだろう
僕の心はとっくに
死んじゃったみたいに
冷たくなってしまってるんだ
耳の奥が破れるみたいに
鼻の奥が切れるみたいに
普通なら
想像するだけで気味が悪いのに
僕は面白くてたまらない
本当にこんなことになったら
誰かが叫んでくれるだろうか
僕の名を呼んで 泣いて
少しでも胸を痛めてくれるだろうか
当然馬鹿げた話だと思うさ
だから望んで死ぬなんてしないんだ
でも
本当になったとき
僕はそのあとのことを知れない
何も知ることができないまま
別の世界に送り込まれていく
…らしいんだ
誰も知ってるはずはないのに
どうしてみんな信じてんだろうな
別の世界って一体どんな世界？
楽しいの？苦しいの？
この世界の誰もが知らない世界
不安でわくわくする
期待してぞくぞくする
面白くて悲しい
気持ち悪くて嬉しい
冷たくなった心は
そんな世界を夢見てる
結局 こいつも信じてしまってる
最上階から落ちていく
この身体から離れたがってる
ああ ああ
面白くて 面白くて
悲しくて 悲しいよ
悲しいよ