恥的生命体

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「静雄が撃たれたのに喜んでごめんなさい、セルティ」



可愛い可愛い俺の名無しがいきなりそんなことを言い出した。ちょっと待て、謝る相手が違わないか?つーか喜んでごめんなさいって何だよ、おい。



「あと…ちょっとだけ興奮して濡れちゃってごめんなさい、岸谷医師」



見ろよ、セルティも新羅も呆然じゃねぇか。つか名無し、今ちょっと濡れてんのかよ。俺が興奮すんだろ。あー、そうだよな、最近色々あってご無沙汰だもんな。分かった、帰ったら抱いてやる。名無しが俺のちんこ入る時にちょっとだけ泣きそうな顔するだろ?あの顔、お前の顔の中で一番好きだぜ。そりゃプリン幸せそうに食ってる名無しも、家事やってる時のちょっと真剣な感じの名無しも、海賊漫画の映画観て号泣してる名無しも(あれは確か医者のトナカイ中心の話だ、俺も泣いたけどよ)、全部可愛い。けど、あの「静雄が入ってくるよ」って怯えた感じが脊椎複雑骨折並みの可愛さ。とにかく、早く治療終われよ新羅。



「でね、色々考えたんだけど…やっぱり静雄のこと愛してるから、情死が良いの!あはんうふふふの間に二人で!」



クラッとしたらしいセルティが壁にもたれかかった。大丈夫か、貧血か?新羅、手前何て顔で名無し見てんだ、ぁあ゙?情死なんて可愛いじゃねぇかよ。流石名無しだなぁ、おい。もう名無しがちょっと息するだけでも可愛い。家着いたらまず玄関で一発。廊下に押し倒して一発、何か無理矢理な感じで堪んねぇな。で、盛り上がったとこでちゃんとベッドで…名無しが気絶するまでだな。俺が耳元で名前呼んでやる度にきゅうきゅう締め付けながら喜ぶんだよな、名無しは。ん?喜ぶ………って名無し、俺が撃たれて喜んだって言ってたな。お仕置きも兼ねて今日はちょっと首締めてやろ。あ、結局名無しが喜んじまうな…。仕方ねぇな、可愛い名無しだしよ!



「静雄に名無しちゃん、治療終わったから早く帰ってくれないかな!」

「岸谷医師ありがとう、愛を育むね!」

「一応、ありがとな。じゃあ帰るぞ名無し」

「はいよ!…ね、撃たれたの痛い?なまりちゅーどく?」

「やべぇ、生でチュー毒に聞こえる」

「えー…」

「なんだよ。つか鉛中毒こえーな、名無しどうする?」

「死んだら追いかけるから任せて!」

「一緒に、が良い。寂しいだろ…?」

「……うん。ずっと一緒、静雄大好き」

「俺も」



「早く帰ってくれ」
『早く帰ってくれ』



セルティも新羅も俺達がラブラブで羨ましいんだろーな。あんなに早く帰るように部屋から追い出すなんてよ、照れてる証拠つーの?それとも…もしかして俺達を気遣ったのか?早く家で二人きりになれって。そうだよな、二人きりってやっぱ特別だからな。ありがとうってまた会った時に言おう。名無しと付き合ってから俺、どんどんデカい良い男になれてる気がするぜ。トムさんみたいな大人の男も夢じゃねぇな。つか、名無しの手…相変わらずスゲー小せぇ。そんで俺の名無し、相変わらず可愛い。



「ねぇ、シズちゃんどんどん気持ち悪くなってるんだけど?」

「恥的生命体同士だから仕方ないよ、私は手を引く。というか僕にもセルティにもお手上げだね、吐きそう」

「あの名無しって子、凄いよねぇ。この前いきなり電話先で“静雄にテレフォンセックス強要するのやめて下さい”って言ってきてさぁ、参ったよ」

「え、臨也も恥的生命体だったの?」

「待て、俺は波江さんのストッキング萌えしかしてn」

ブチッ

「臨也、金輪際口利かないからそのつもりで」

「波江さぁああん!」











何したかったんだろうな、私



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