一花心の夢 | ナノ
「一花心の


それはまるで浅き夢の如し日々であった。草臥れぬ恋を哀れと鳴く蝉は儚く、優しい幻の中、膿む慕情の終着地点にて残暑の揺蕩う永遠に飲み込まれる。嗚呼なんと美しき、一花心と悪戯な晩夏だったのだろう。


16.8.24