感想 


8.five - 走り出せ青春!
 2009/12/14 - 辛口感想
ジャンル:現代学園青春
長さ:長編(連載中)

act.7まで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
小内高校への転入生・真崎和也は、2年前に廃部になった男子バスケ部復活ために、部員を集める。
しかし、元バスケ部員を当たってみるが、入部の意志はないようで……。
男子バスケ部を中心とした青春群像小説。


三人称神視点と描写不足が原因で、青春モノなのに感情移入しにくいです。
文章がアップテンポなため、全体的に味気ないですが、動きのある場面は魅力的に書けています。
また、イベントが次々と起きるので飽きません。





タイトル通り、パワーとスピード感あふれる王道な青春モノです。
カラッとした雰囲気で、泥臭さ・青臭さは控えめなので、人を選ばなそうな印象があります。
高校生らしいワケのわからないエネルギーが感じられるのが、個人的に好みです。

しかし、三人称神様視点が作品に合っていませんでした。
神様視点の性質上、登場人物の内面を掘り下げにくいため、青春モノなのに感情移入しにくいのです。

また、文章自体は読みやすいのですが、描写が少ないため、あらすじっぽい印象を受けました。
おそらく一般的な高校が舞台なので、背景の描写はあまり必要ないと考えられます。
ですが、読者をキャラクターで引っ張っていくタイプの作品であるため、
ある程度ていねいな心理描写が、必須になってくるのではないでしょうか。

キャラは立っていると思うのですが、場面がどんどん切り替わる上に、
ひとり当たりの情報量が少ないため、なかなか人物名を覚えられませんでした。
act.6あたりまで、東城と西島を識別できていなかったりもしました。

また、描写が不足気味なため、イベントの数や登場人物の多さのわりに、文字数が少ない印象を受けました。
駆け足気味で物語が進行していくため、軽く読めるという利点はあるのですが、少々物足りなくもあります。

一方で、バスケの試合シーンなど、動きのあるシーンでは、スピード感と躍動感がありました。
短文主体で文章の流れもいいため、文章のアップテンポさがプラスの方向に作用したのでしょう。
どうせだったら、御長家高校との試合シーンも読んでみたかったです。

文章だけではなく、ストーリーもアップテンポなのため、中だるみがありません。
1つ1つのエピソードは目新しくはありませんが、イベントがどんどん発生するので、読んでいて飽きないのです。

また、状況から考えうる障害がきちんと立ちふさがって、
それなりに手順を踏んで解決していくので、満足感のあるストーリーになっています。

登場人物がそれぞれ、自分で考えて行動しているのも、読んでいて気持ちがいいです。

たまに会話が笑えたり、学校名がどうみてもギャグ漫画風なのもあいまって、
肩肘張らないで読める作品に仕上がっているのではないでしょうか。


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