感想 


7.赤い瞳と黒い羊
 2009/11/13 - 辛口感想
ジャンル:恋愛ファンタジー
長さ:長編(連載中)

第一話を読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
十九世紀の東欧。
村を脅かす吸血鬼の『花嫁』として捧げられた少女・レナ。
しかし、レナの元に現れたのは吸血鬼ではなく、赤い瞳の青年・アルフレートだった。


文章の流れが悪く、まだらっこしい言い回しが多いです。
そのため、物語に集中しづらかったです。
話の軸がしっかりしており、内容はよくまとまっています。
第一話だけで、一つの話として完結しているのが好感でした。





とても少女小説らしい作品です。
設定や展開は王道で取っ付きやすく、目立った破綻もありません。
やや硬めで耽美な文体も、世界観によく合っています。

しかし、綺麗に書こうと気張りすぎているのか、文章が非常に読みにくかったです。
そのため、物語の世界に全然入り込めませんでした。

まず、言い回しがまだらっこしいです。
主語と述語の関係が判断しにくく、文意をすんなりと理解できませんでした。
また、主語と述語にねじれが生じ、文法的に正しくない文章もありました。

言葉を省略しすぎたのか、修飾する対象がおかしい形容詞も、いくつか見られました。
言いたいことはわかるけれど、イメージしづらい描写も多かったです。

同じ単語や表現が多用されていたため、文章が深みに欠けていました。
「赤い瞳」のあまりの多さに、少しうんざりとしてしまいました。


文章の流れの悪さも気になりました。
特に情景描写において、文章がぶつ切りになっているような印象を受けました。

句点の前後が繋がっていない文にも、引っかかりを覚えました。
1つの文が妙に長いことがあるのも、読みづらさの原因でしょう。


視点が定まっていないため、登場人物に感情移入しにくかったです。
前ぶれもなく別人の視点になっていることが多く、
頭の中で情報を整理するのが大変でした。


やや芝居がかったセリフが、物語に馴染んでないため、
作者さまが登場人物を「喋らせている」感がありました。
登場人物の掘り下げが浅いため、「わざとらしいセリフ」と感じてしまったのかもしれません。

ストーリーについては、アルフレートが村を脅かしていた吸血鬼を、すぐに始末しまわなかった理由が気になりました。

また、「アルフレートが吸血鬼である」ことは、すぐに気付きました。
作者さまがあまり隠そうとしているようにも見えなかったため、
アルフレートがクライマックスまで正体を明かさないことに、違和感を覚えました。

ついでに、この物語に出てくる吸血鬼の定義・特徴・性質について、もう少し説明がほしかったです。
また、19世紀の東欧らしい文化や雰囲気も、もっと味わいたかったです。


登場人物の配置や展開速度は、ちょうどよかったです。
話の軸がしっかりとしていて、ストーリーを見失うこともありませんでした。
物語の骨格に無駄がなくて、好感が持てます。
第一話単体で、1つのエピソードが完結しているのも、ポイント高いです。

ストーリーがきちんと盛り上がって、納得のいく結末を迎える、読後感のいい作品です。


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