感想 


6.あなたのそばで
 2009/11/08 - 辛口感想
ジャンル:現代仮想恋愛
長さ:中編(完結)


いいかげんなあらすじ:
ネットゲーム中でぼんやりとしていた、休職中の主人公。
好みな外見の男性キャラ「りゅうくん」に話しかけられ、一緒にプレイするようになるが、
現実の自分とゲーム中のキャラとの乖離に、不安を抱き始める……。


きれいにまとまってはいますが、全体的に薄味で、物足りなかったです。
「りゅうくん」の存在が、主人公にとって都合がよすぎて、おもしろみに欠ます。
淡々としているのに、妙にフワフワとした文章が印象的でした。





現実とゲーム、両方が交錯しているネトゲ系の話は大好きなのですが、
この作品は薄味すぎて、食い足りなかったです。

主人公は「りゅうくん」とチャットばかりしていて、あまりネトゲ設定が生きていなかったからです。

主人公も「りゅうくん」も話し相手を求めているだけに見えるため、
ネトゲではない普通のチャットでも、十分事足りてしまいそうです。

また、チャットがメインなため、大したイベントが発生せず、盛り上がりに欠けていました。
赤の他人があっさりと幸せを手に入れる様子を見ても、まったく楽しくありません。

実際のネトゲ上の恋愛がチャットメインだとしても、
小説で読む分には、チャットだけでは物足りなすぎます。


チャットの内容も、あまりおもしろくなかったです。
「りゅうくん」の言動すべてが主人公にとって都合がいいため、
かえってうさん臭く、醒めてしまいました。

「わるちゃん」と「りゅうくん」が恋人同士になるまでの駆け引きにも、おもしろみがありませんでした。
主人公も自称「かまってちゃん」のわりに、誘い受けさえもせず、
「りゅうくん」に話しかけられるのを待ってばかりいたからです。

そもそも、なぜ「りゅうくん」が「わるちゃん」を好きになったのか、よくわかりませんでした。
いくら見た目が好みでも、「わるちゃん」は受け身すぎる上に、特に会話がうまいわけでもなく、
魅力的なキャラには、まったく見えなかったからです。


しかし、初めて書き上げた小説とは思えないくらい、きれいにまとまった作品です。
文章にも設定にも、目立つツッコミどころはありません。

「りゅうくん」との交流によって、現実の生活において、
主人公が前向きになっていく展開には、好感が持てました。

現実的で淡々としているのに、妙にフワフワとした文体も印象的です。


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