感想 


42.TO-KO
 2010/10/24 - 辛口感想
長さ:長編(連載中)
ジャンル:異世界ファンタジー

第三章まで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
特殊な存在『瞳子』であるトーコ。
禁忌の術を行っている現場を目撃してしまったトーコは、異世界に逃げ込む。
異世界でトーコはメイドとして働き、屋敷で暮らす人々と平和な生活を送っていたが……。


設定が明かされていない上に、主人公がなにをしたいのかわからなかったせいで、物語に入り込めませんでした。
また、登場人物の掘り下げ不足が原因で、全員の印象が薄いです。
内面描写がていねいな点はよかったです。





主人公以外全員男性、しかも美形揃いという、乙女ゲーム的な作品です。
お屋敷が舞台だからか、今のところきれい系な男性が多い印象です。


「『瞳子』ってなんだろう?」とワクワクしながら読み始めたのですが、結局よくわかりませんでした。
頻繁に『瞳子』という単語が出てくるのですが、『瞳子』について具体的な説明がまったくないからです。

謎を作るために、あえて『瞳子』について説明していないのかもしれません。
ですが、『瞳子』がどのような存在かわからないせいで、物語についていけない面がありました。

また、『瞳子』はタイトルにもなっているので、物語の中心となる設定だと考えられます。
しかし、やはり『瞳子』について不明なせいで、どんな物語なのか把握できませんでした。


物語を掴めなかった原因としては、主人公がなにをしたいのかわからない点も挙げられます。
主人公の目的が不明なため、話の軸がわからず、物語の牽引力に欠けているのです。

第三章では、主人公の日常に翳りが見られるようになります。
ですが、主人公がどうしたいのかわからないため、先がまったく気になりませんでした。


第一章や第二章は日常メインなため、主人公が周りに流されているだけでも、大して気になりません。
しかし、登場人物の魅力がいまいち伝わってこなかったせいで、読んでいて退屈でした。

まず、どんどん新たな登場人物が出てくるので、全然名前を覚えられませんでした。

また、人物像の掘り下げが不足しています。
それぞれの性格と外見について、一応描写や説明はされています。
ですが、それぞれに割かれている文字数が少なすぎて、全員の印象がとても薄かったです。


文章は読みにくくはありません。
ストーリーが興味深かったり、登場人物が魅力的なら、内容をしっかりと楽しめる文章でしょう。

しかし、全体的に説明不足です。
『瞳子』だけではなく、舞台設定、登場人物の背景など、様々な要素が不明なまま、物語が進んでいきます。
そのため、作品の世界に入り込めませんでした。

また、風景や情景の描写の少なさが気になりました。
背景に関する描写が不足しているがために、どんな世界観なのか、まったくイメージがわきませんでした。

他には、一人称と三人称が混ざっている点や、たまに言葉の使い方がおかしい点が気になりました。

内面描写がていねいな点はよかったです。
視点となった登場人物の気持ちが、体感描写も交えてしっかりと描かれています。


美形男性が多く、内面描写もていねいなため、恋愛要素が色濃くなったとき、本領を発揮できそうな作品です。


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