感想 


39.DAYS
 2010/09/26 - 辛口感想
ジャンル:学園青春
長さ:長編(連載中)

Act.12まで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
四月、進学校から転任してきた美術教師・小暮保。
基本的に淡白な小暮だが、親しみやすい生徒に囲まれ、生徒とも関わりを持つようになっていく。
また、女性関係にも変化の兆しが見え始めているが……。


ストーリーも人物も当たりさわりがなく、おもしろみに欠けていました。
また、人物の外見や場の雰囲気が描かれていないため、イメージしづらかったです。
しかし、文章はていねいで安定感があり、読みやすかったです。





やや低体温な美術教師視点で描かれている、ごく普通の学園日常モノです。
熱血教師が苦手なので、個人的にすごくありがたい主人公設定でした。

学園モノ自体は大好きなので、すんなりと読めました。
ですが、当たりさわりがなさすぎて、あまりおもしろくなかったです。


まず、ストーリーについて。
学園モノらしいイベントは盛り込まれているのですが、淡々としすぎていて、メリハリに欠けていました。
各イベントについて、特に盛り上がる場面もオチもないので、印象に残らないのです。

また、現状が安定しているせいで、あまり先が気になりません。
多少は人間関係に変化の兆しが見えるのですが、サラッと書かれすぎていて、読んでいて興味がわきませんでした。


次に、キャラクターについて。
この作品の登場人物、特に生徒たちは、一人一人ていねいに描かれています。
けれども、多少の性格の違いはあれど、みんな「いい子」に分類される人間です。
登場人物に多様性がないため、ストーリー同様、おもしろみに欠けていたのでしょう。
また、「いい子」は無難な行動しかしないため、読んでいて退屈でした。

さらに、似たようなタイプの生徒ばかりなので、人物が多いシーンで書き分けができていません。
誰が喋ってもおかしくないような台詞が多く、誰の台詞なのかわかりづらいことが、しばしばありました。

ついでに、非常に個人的な感覚なのですが、生徒たちが高二にしては幼い印象を受けました。
幼稚なのではなく、純朴すぎるのです。
そのため、中学が舞台だとしばらく思い込んでいました。


文章はとてもていねいです。
しかし、人物の外見描写がほとんどないため、頭のなかで人物を映像化しにくかったです。
また、場の雰囲気や様子の描写も不足がちで、背景もイメージしにくかったです。
さらに、体感描写が少ないため、臨場感や季節感が伝わってきませんでした。


他には、学校の具体的な規模が分からなかったり、「教師が生徒と外泊して問題ないのか」等の点が気になりました。
ですが、文字数の都合で詳細は割愛させていただきます。


なんだかんだ書きましたが、ストレスなく読めた作品です。
短文主体で流れがよく、言葉選びも素直なため、とても読みやすい文章でした。
文法的にもあやしいところがなく、安心して読めました。

また、登場人物の口調や動作がしっかりと書かれていたため、主人公以外の人物の心情もよく伝わってきました。


私の場合、「いい子」がそんなに好きではないため、この作品に興味が持てなかった面があると考えられます。
文章もストーリーも安定しているので、登場人物さえ合えば、とても楽しめる作品かもしれません。


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