感想 


38.女王さまと下僕(お題版)
 2010/09/12 - 辛口感想
ジャンル:現代恋愛
長さ:お題掌編集(完結)


いいかげんなあらすじ:
和の小物を扱う「蘿蔔屋」。
蘿蔔屋の社長の一人娘・玲子は女王様気質で、唯一の従業員・達也に、つれない態度をとっている。
しかし、実際は……。


全体的に薄味で、ほとんどのエピソードが記憶に残りませんでした。
また、人物像や舞台設定がはっきりしないため、印象に残りませんでした。
しかし、突飛な要素がなく、内容が軽めなので、読みやすかったです。





ネット小説で一番よく読むジャンルは、軽めの恋愛ものです。
特に、中編や短編連作が大好きだったりします。

そんなわけで、個人的に取っ付きやすいジャンルと形式の作品でした。
1つの話が3ページで完結しており、かなり軽い仕上がりになっています。


しかし、あまりに軽すぎて、薄味な印象を受けました。
ストーリーもキャラクターも薄すぎて、一晩寝たらほとんどのエピソードを忘れてしまいました。

この作品には、一人で相手を想っているシーンと、玲子と達也がイチャついているシーンしかありません。

相手を想うシーンについては、気持ちの掘り下げが少ないため、玲子にも達也にも共感できませんでした。

イチャつくシーンについては、甘くはあるのですが、どこか淡泊で、ドキドキしませんでした。
やはり、イチャつているときの主人公の心情が、あまり描かれていないからだと考えられます。


登場人物の印象も薄く、最後まで人物像がぼやけたままでした。
性格や見た目はなんとなくわかるのですが、はっきりとはイメージできないのです。

また、この作品のタイトルは『女王さまと下僕』であるため、おそらくキャラ設定がウリなのだと考えられます。

しかし、玲子はまったく女王さまっぽくありません。
あと、後半で頻繁に「天然」と書かれていましたが、天然にも見えませんでした。

また、達也の下僕らしい姿も書かれていませんでした。
「草食系に見えて、実は……」なギャップも表現されていません。

玲子にしろ、達也にしろ、その人物像を特徴付けるエピソードが存在していないのです。
そのため、人物設定に説得力がなくなってしまい、印象にも残らなかったのだと考えられます。


舞台の様子もハッキリしません。
物語の背景が、まったく書かれていないからです。
蘿蔔屋の広さも、内装も、客層も、どんな和の小物が売られているのかもわからりません。
そのため、蘿蔔屋がどんな店なのか、全然イメージできませんでした。

また、和の小物屋という設定が、あまり生かされていません。
別の舞台でも、成立してしまいそうな物語です。


文章に関しては、ケータイ小説を意識して文字数を減らしたのかもしれませんが、全体的に描写不足でした。

特に、「そんな」で描写を端折りすぎているのではないでしょうか。
「そんなってどんな?」と、1ページ中に何回も心のなかでつぶやきながら、読んでいました。


しかし、文章自体は平易で読みやすかったです。

また、変に突飛な設定がないため、大人の方でも取っ付きやすい内容なのではないでしょうか。
文体も落ち着いています。
主役が2人とも成人なので、お色気シーンも安心して読めました

社会人が主人公で、軽く読める恋愛モノを求めている方に、オススメできそうな作品です。


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