感想 


35.荒れ地のはな
 2010/08/29 - 辛口感想
ジャンル:異世界ファンタジー
長さ:長編(連載中)

『望みのモノ』の12ページ目まで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
貴族の少女・アイリスは、荒れ地と化した故郷に緑を蘇らせるために、『緑のカケラ』を探していた。
『緑のカケラ』の手がかりを求め、旅を続けていたアイリスは、森のなかを移動中にイオという名の青年に出会う。


文章が雑で、物語に集中できませんでした。
また、説明や描写が少なすぎて、イメージがしづらく、展開にも説得力がありません。
しかし、主人公の目的と動機がはっきりしているため、ストーリーは追いやすかったです。





土のにおいのする異世界ファンタジーが好きです。
そんなわけで、設定的にはなかなか好みな作品でした。

しかし、作品の世界に全然入り込めませんでした。
文章がとても雑だったからです。
表紙のあらすじを読んだだけで、文章の粗さに不安感を覚えました。

まず、漢字誤変換や「軽い軽食」といった言葉のミスが多すぎます。
また、助詞の使い方がおかしい部分も、多々見られました。

また、情報整理することなく、文章を書かれているような印象を受けました。
言葉が足りていないだけではなく、同じ内容を重複して書いている部分も、とても多かったからです。

視点も不安定でした。
三人称と一人称が入り乱れている上に、アイリス視点とイオ視点が混ざっているからです。
三人称のとき、地の文に口語が紛れ込んでいた点も、文章が雑な印象になってしまった一因でしょう。

また、読点が少ないせいで、文意がわかりづらかったです。


文章量も不足しています。

まず、物語の背景がまったくわかりませんでした。
どのシーンにおいても、どんな光景が広がっているのか描写されていません。
また、舞台設定も説明されていないのです。
そのため、舞台の様子がうまくイメージできませんでした。

また、主人公たちの抱えている事情があまり明かされていないため、登場人物に全然感情移入できませんでした。
特にイオについては、「主人公にとって都合のいいキャラ」にしか見えませんでした。
人物の内面描写も不足しています。

人物の容姿もよくわかりませんでした。
アイリスの外見については3話目で描写されているのですが、描写のタイミングが少々遅すぎます。
イオに至っては、美形だということ以外には、容貌がまったく書かれていません。

ただ、人物の内面と外見については、3話目のイオ視点時に、比較的ていねいに描かれています。
その気になれば、しっかりとした描写もできる作者さまなのではないでしょうか。

出来事の詳細も端折りすぎです。
たとえば、1話目の終わりで、アイリスがイオとどんなふうに過ごしたのか、全然書かれていません。
そのため、後の展開に説得力がありませんでした。


文章について残念な点の多い作品ですが、物語はとても追いやすかったです。
説明不足でも、ストーリーを見失うことはまったくありませんでした。

おそらく、主人公の目的と動機がはっきりしているからでしょう。
しかも、目的は開始早々に示され、動機も納得がゆくものです。
物語的にまだまだ序盤ですが、構成的には目立った問題はありません。

文章さえなんとかなれば、一気におもしろくなりそうな作品です。


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