感想 ▽
33.MYSTERIOUS ZONE
2010/08/18 - 甘口感想
ジャンル:ホラー
長さ:短編
いいかげんなあらすじ:
朝起きていきなり金縛りに遭った、OLの主人公。
昼食時にも仕事中にも、ふとした瞬間に主人公は「見えない人」の気配を感じる。
しかし、周囲の人間は「見えない人」に気付いていないようで……。
夏場は涼を求めて、オカルト体験談のまとめサイトをよく読んでいます。
そのため、朝から夜にかけて積み重ねられていく怪奇現象に、「あるある」とうなずきながら読めました。
(実際に体験したことはないです)
よく目にするけれども、身近に起こり得そうな怪奇現象がチョイスされています。
そのため、取っ付きやすい一方で、余計な想像も膨らみやすかったです。
レストランに入って、お冷やを一人分多く並べられたら、地味に嫌ですね。
あと、「見えない人」に耳元でハァハァされるのも、非常に不愉快です。
定番ネタが続きますが、ラストの展開がひねってあるので、「物語を読んだ」という満足感も残りました。
あのオチは、いい意味で読者に対する嫌がらせですね。
野いちごさんで書かれている作品なので、ケータイで読む人がほとんどでしょう。
また、読み手には若い女性も多そうです。
ケータイ小説であることを、うまく利用できている作品です。
また、この作品は無駄な装飾のない淡々とした文章で書かれています。
そのため、想像の余地があり、かえって怖いです。
さらに、表現にも主人公にクセがないので、感情移入しやすかったです。
熱帯夜、薄暗い部屋で読むのに、ピッタリな作品です。