感想 


3.盤上の遊戯
 2009/09/10 - 辛口感想
ジャンル:現代異能バトル
長さ:長編(連載中)

『祭りの裏』の40ページ目まで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
高校生の田中彼方(♂・身長2メートル)は、謎の男に「君が“白の王”だ」みたいなことを言われる。
ワケがわからない彼方だが、その後、クラスメイトの杉峰(美少女)とともに、能力者バトルっぽいものに巻き込まれる。


情報が整理されていないため、内容が散漫になっていました。
そのため、設定、文章や構成がわかりづらかったり、
不要な人物や場面が多かったりと、全体的に粗が目立ちます。
しかし、独自の味付けにセンスを感じました。





『ゲームの始まり』までは、王道の異能バトル系のライトノベルっぽく、
その「お約束感」を楽しめました。
しかし、『白い王の日常』からグダグダになり、一気につまらなくなりました。

原因としては、「情報が整理されていない」ことが考えられます。
書きたい要素を吟味せず、そのまま物語にぶちこんでいるような印象を受けました。

まず、“駒”やら“天秤の一族”について、ゴチャゴチャと一気に説明されても、主人公以上に頭がついていけません。

設定自体もあいまいで、腑に落ちない部分が多いです。
戦いの方法、“駒”の能力、“天秤の一族”ができることなど、この物語でのルールが示されていないからです。

回想形式で設定を説明している意図も、よくわかりませんでした。
視点もよく入れ替わるため、内容を把握しにくかったです。

文章はノリと勢いだけで書いてしまっている印象で、
説明が妙にまどろっこしかったり、逆に言葉が足りなかったりして、あちこちで引っかかりました。

詳細に書き込んである部分は、描写ではなく説明であるため、場面を想像しづらかったです。
逆に、大事なシーンや戦闘は、改行や「――」に頼りすぎで、情報量が少なすぎです。

また、綾愛学園がセレブっぽくない、
求大の目撃証言が、物心つく前の幼児のものとは思えない、
などの点も気になりました。

出てくる必要のなさそうな登場人物が多かったのも、読みにくさの一因でしょう。

特に『白い王の日常』の部活シーンに登場するのは、脇役ばかりです。
正直、不要な場面だと感じました。

しかし、キャラはしっかりと立っています。
特に、身長2メートルの童顔高校生な主人公なんて、初めて見ました。
イイ意味で、作者さまにただならぬものを感じます。

『祭りの裏』も、視点や時系列がしょっちゅう入れ替わるため、わかりづらい面もありますが、
ストーリー自体はおもしろかったです。

王道でありながらも、ストーリー、設定や人物そのものには、センスが感じられました。
ストーリー・設定の見せ方や、文章の読みやすさについて工夫すれば、
かなりおもしろい作品になるのではないでしょうか。


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