感想 


20.巡り廻ってまた会おう
 2010/04/18 - 辛口感想
ジャンル:現代ファンタジー
長さ:短編(完結)


いいかげんなあらすじ:
女子校生の真琴は、奇妙な夢を見た朝、急に水族館に行きたくなり、学校をサボる。誰もいない水族館で、真琴が見る白昼夢は……。


話が膨らむ前に物語が完結してしまい、拍子抜けしました。
また、クライマックスがないため、物足りないです。
しかし、冒頭はベタながらも引き込まれるものがありました。
文章もイメージしやすく、読みやすいです。





転生は、いくら使い古されようと、いまだに大好きな要素の1つです。

この作品は一目で転生モノとわかる冒頭とタイトルで、
「ベタな感じだけど楽しみ」と、ワクワクしながら読み始めました。

けれども、話が膨らむ前に物語が終わってしまい、拍子抜けしてしまいました。
「起承転結」の「転」が抜けている、あるいは「起承」だけで作品が完結してしまっているのです。

この作品では、主人公たちの前世について、気になる情報が小出しにされています。
そのため、「先を読んでみたい」と感じた作品なだけに、余計残念でした。

主人公が「なんとなく」水族館に行きたくなり、
水槽を眺めているうちに「なんとなく」前世の記憶がよみがえってきて、
「気が付いたら」前世の恋人に再会して……。

ざっと内容をまとめてみましたが、読んでいて盛り上がる場面が一切ないのです。
クライマックスが存在しないため、ドラマチックさに欠け、物足りない読後感でした。

また、なんの障害もなく前世の恋人同士が再会してしまっているため、再会のありがたみが全然感じられませんでした。


全体的に、膨らませられるところを膨らませられていない印象を受けたのですが、
逆に、真琴の朝食についての描写はいらなかったです。
真琴の朝食は、その後の展開にまったく関係ないからです。

全体的にていねいに書かれているのは、かなり好印象です。
ですが、重要性の低い場面までしっかり書かれていると、
ストーリーが間延びし、読むのが面倒になってしまいます。


文章は先に述べたように、内外の描写ともにきっちり書かれているため、イメージしやすかったです。
全体的に一文がやや長い気もしますが、変に凝った言い回しはないため、読みやすかったです。


ベタながらも、冒頭には物語の世界に引き込む力があるため、
エンディング後のストーリーも読んでみたい作品です。


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