感想 


16.交錯物語
 2010/03/07 - 辛口感想
ジャンル:時代小説風ファンタジー
長さ:長編(連載中)

27ページ目まで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
狂君と呼ばれる、菊池家当主・清二郎。
清二郎は戦場で、隣国を統治する荒川家からの援軍に出くわす。
しかし、荒川家の援軍は、新たな戦の先駆けだった。


物語の背景や状況の説明が少なく、内容があまり理解できませんでした。
また、登場人物の意図することも、よくわかりませんでした。
しかし、作者さまの「この作品を書きたい」という熱意は、随所から感じられました。





武士の時代(室町〜江戸前期?)の近畿地方を舞台とした、架空の人物たちの物語です。
馴染みのある旧国名や中世日本の空気に、「史書巫女」などファンタジー要素が紛れ込んでいるのが特徴的です。


この感想を作成している時点では、第一章の途中までしか書かれていません。
よって、今後どんな方向へ物語が転がっていくのか、見当が付きません。

しかし、この先の読めなさは、ハラハラドキドキするような性質のものではありませんでした。
作品の内容がイマイチ理解できていないせいで、今後の展開を予測しようがないのです。

しかも、たった27ページしかないのに、とても頭が疲れました。
物語の背景や状況の説明が少なすぎて、冒頭からストーリーについていけなかったからです。
いきなりシリーズものの2巻から読み始めてしまったような印象を受けました。


登場人物についても、よくわかりませんでした。
性格も人間関係も、そして意図していることも、
いくら物語を読み進めても、ハッキリとつかむことができないのです。

キャラクターを理解できない原因は、ストーリー同様、
各登場人物の事情が、ほとんど説明されていないからだと考えられます。

特にわからなかったのは、紫苑の考えです。
「荒川家を守りたい」と言いつつ、紫苑の行動は、荒川家を滅ぼそうとしているようにしか見えませんでした。

また、なぜ紫苑は松十が菊池家を攻めるようにけしかけた一方で、
松十を暗殺しようとしているのか、さっぱり意図が読めません。


さらに、文章のせいで、内容がわかりにくい面がありました。
作品の空気作りにばかりに気を取られているのか、
よくわからない説明になってしまっていたり、描写不足に陥ってしまっているような印象を受けました。

また、視点の位置が固定されていないせいで、ますます内容がつかみづらくなっていました。

書いてあることにも一貫性がないのも、読んでいて疲れた一因だと考えられます。

たとえば、3ページ目に
「しかし杏千代は知らなかった。この早業の主が自分ではないことを」
とあります。
けれども、前後の文章からは、「早業」が杏千代の行動にしか見えません。

このように、何度読み返しても意味が分からない文章があるのには、少々困りました。


散々「内容が理解できなかった」と書いてきましたが、
作者さまのなかにしっかりとしたストーリーやキャラクターが存在することは、端々から察せられます。

また、文章にも勢いがあり、作品に対する熱意が感じられました。


しっかりとした設定や構想がありそうなので、
基本情報が整理され、早め早めに明らかになっていけば、
一気におもしろくなりそうな作品です。


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