感想 


15.センター オブ ユニバース
 2010/03/05 - 辛口感想
ジャンル:異世界トリップ
長さ:長編(連載中)

第二部まで読ませていただきました。


いいかげんなあらすじ:
仲良のいい女子高生の碧、紫苑、朱鷺は、図書館で見つけた本が原因で、三国志のような世界に行ってしまう。
三人は異世界で『使徒』として受け入れられるが、やがて建国の戦乱に巻き込まれていく。


主人公たちの目的が不明なため、物語の牽引力が弱いです。
また、序盤に描写がほとんどないため、世界観も人物像もイメージしづらいです。
しかし、第二部は描写や説明が増え、各段に読みやすくなっています。





定番(?)の女子高生異世界トリップものです。
少し懐かしいかおりの少女漫画のような作風ですが、戦記ものまっしぐらな展開なのが特徴的です。


物語に引き込まれないので、「読み進めたい」という気持ちがあまりわきませんでした。
主人公たちの目的がわからないせいで、物語の牽引力に欠けていたからでしょうか。

元の世界に戻りたいのか、異世界のために行動したいのか、それともなにか別の目的があるのか……。
主人公それぞれの気持ちがわからないため、誰にも感情移入することができません。
そのため、作品の世界に入れないのです。


また、人物や世界観について、序盤でほとんど描写されていないため、
作品の内容が非常にイメージしづらかったです。

キャラクターの性格や容姿がよくわからないまま、
それらが関連するイベントが起こっても、正直ストーリーについていけません。

異世界の情勢や風土、文化も必要最低限未満しか書かれていないのも気になりました。
戦や戦略の話をされても、なにが大変なのか、あるいはなにがスゴいのか、よくわかりませんでした。


あと、『使徒』についても、もっと具体的な説明がほしかったです。

異世界の一般あるいは上位の人々は『使徒』のことをどう思っているのか、
真の国の人のうち、いったいどれだけが「使徒=主人公」だと把握しているのか……。
など、『使徒』の周辺事情がどうなっているのかも、知っておきたかったです。

『使徒』についてハッキリしていないせいで、説得力に欠ける設定や展開があったのが気になりました。


キャラクターもやや弱いです。
紫苑があまりにハイスペックすぎて、碧の「比較的賢い」という設定が、食われてしまっていました。

また、白龍や悠侠のキャラも、イマイチ定まっていません。
そのため、登場人物の深い話をされると、温度差を感じてしまいます。


他には、会話主体のシーンで、なにについて書いているのか、わからないことがありました。
話題の中心がなんなのかまったく触れられていないのに、会話が進むことがあるからだと考えられます。

また、文中に「・」を多用しているのにつまづきました。
おそらく読点の代わりに使っているようですが、もしかしたら用法が違うのではないでしょうか。


先に触れたように、描写、説明が少ないという印象を受けましたが、
ていねいでイメージしやすい描写も、ときおり挟まれていました。
また、話数が進むにつれて文章量も増え、各段に読みやすくなっています。
さらに、気になる点はありますが、短文主体の文章は読みやすいです。

したがって、今後どんどんクオリティが上がっていくことが期待できる作品だと考えられます。


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