――生まれる前の話をしようか。
私には生まれる前の記憶がある。母の胎内で身体を造る段階で、既に私は私としての意思があった。 私は、生まれる前から既に私だった。
私の記憶の中に最も深く根を下ろし、そして私という人間を形作るにあたり最も影響を及ぼした少年がいる。 《碇シンジ》という僅か14歳の少年だ。
誰からも愛されず、認められず、必要とすらされなかった彼は人類の為に命を懸けて戦った。 彼は責められ詰られながらも恐怖すら殺して戦い続けた。悩み、時には逃げ出したいと願いながらも、守りたいと願うから、傷つきながら戦い続けた。 唯一現れた彼の《理解者》でさえ人類の為に――ひいては《理解者》が望む故に――殺してしまった。
心が悲鳴を上げていた。もう破綻は直前に迫っていた。いつ崩壊してもおかしくなかった。 戦いに身を置き続けた彼は、もう限界だった。
これが、私が知る《碇シンジ》という人間。 そして私は《碇シンジ》だった。 かつて私は《碇シンジ》だったのだ。
全てに限界を迎え、破綻した《碇シンジ》のなれの果て。
――碇シンジ(私)が望んだ戦いの無い世界。そこで新たに生まれ変わった私(碇シンジ)。
私は確かに《碇シンジ》で、でも私は《私》だった。 《碇シンジ》と《私》という二面性を持っているのが私という人間だ。
***
こんな感じのシンジ君であってシンジ君ではない女の子の話が書きたくなった。 シンジ君が望んだ世界。その平行世界の内の一つ。 使徒もいない、A.Tフィールドも無い世界。 その世界で生まれたシンジ君の生まれ変わり。
シンジ君の記憶は虫食い状態で覚えてる。 シンジ君でもあるし、女の子自身でもあるというめんどくさい子。 そんな訳で人間不信気味。「大人」が信じられない。他人が怖い。争いが嫌い。 元々どの《碇シンジ》であったかはわからない(庵野版に近いような気がしないでもない)
カヲル君は平気。 寧ろ依存気味なくらいカヲル君には心を許してたりとかね!ね!
女の子はカヲル君に依存してしまう事はわかりきってたのでカヲル君に会いたくなかったんだけど、会ってしまう。 この世界のカヲル君も女の子(シンジ君)大好きなので「どんどん依存してくれちゃっていいんだぜ!」状態。 どろどろに甘やかして女の子を囲い込んじゃおうと企むカヲル君マジ外道。
見ようによってはカヲシン♀に見えてしまうような気もするけどあくまでも夢だと言い張るよ! そんな話をいつかやりたい。 Q熱が冷めない限り欲求は消えないだろう←
《碇シンジ》が願う一つの世界
2012/11/18 18:39 ( 0 )
← |