第2話





・静雄side





理由は、親にも話さなかった。それでも何も言わずに許してくれたのはきっと俺が言いたかったことを理解してくれていたからだと思う。












来神高校入学式と書かれた看板を見つめ、大きく息を吐く。風に吹かれる度目の端にチラつく金髪にはもう慣れたし、引っ越しの荷物も大体は片付けた。あとは…昼飯の材料を買いに行くついでにバイトも探さねぇとな。

…あぁ、でもその前に入学式か面倒くせぇ。

もう一度大きく息を吐いて顔を上げる。自分で決めたことだ、今更後戻りなんて出来ないしするつもりもない。ぐっと覚悟を決めていよいよ門をくぐろうと足を踏み出したその時、ふと誰かに見られているような気がした。


「………?気のせいか」


周りには友達や親と一緒に体育館へ向かう学生達しかいない。
少し考えすぎだ、と頭をふるふると振って体育館へと足を進めた。








長々とした校長の話が終わり、半分眠りかけていた頭が起きたのは教頭だと思われる男が丁度「新入生代表による挨拶です」とか何とか言った時だった。

眠りかけていたことに慌てて、ぼうっとした頭でなんとか起きようと目を開くが、それもつかの間の抵抗であり、すぐに瞼が下がってきた。入学早々とやかく言われるのは避けたい、と頭では思っていても目が開かない。
さぁ、困った。


「新入生代表、折原臨也」



…折原……誰だ…?
変な名前だな、と思ったのが最後。結局俺は入学早々注意を受けることになってしまった。








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静雄視点難しいです


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