第1話



・人気者(?)静雄×静雄に憧れてる臨也
・パロもいいところです

・臨也side







いつか、あのキラキラした光に近づける日が来るなんて。そんなこと思ってもみなかった。

















彼にはとても仲の良い弟がいるらしい。しかも今巷を騒がせている人気の子役だ。

誕生日は1月28日。その日になるとクラスの皆が彼を祝うから覚えてしまった。

血液型はO型で、これは何人かの女子が占いの本を見ては自分と彼を照らし合わせてはしゃいでいたから知っていた。


小学校から中学までの9年間、俺はずっと彼――平和島静雄と同じ学校に通っていた。同じクラスになったことはないし話したこともないが、人当たりも良く教師受けも良い彼の話は俺の耳にも自然と入ってきた。


逆に俺はというと、必要以上に人と関わるのことが嫌いだったため、髪をわざとボサボサにしたり、でかい黒渕眼鏡をかけたり、休み時間は一人で教室か図書室にこもって黙々と本を読んで過ごしたりと、まあ、所謂「近づくな」オーラを全面的に押し出した生徒だった。勉強はそれなりにこなしているため別に悪いことはしていないので教師には何も言われないし、ありがたいことに空気の読める同級生にも必要以上に話しかけられることはなかった。



(……変なの)



人とかかわったところで何が楽しいんだろうか。俺は人間を観察することは大好きだけど、かかわるとなると話は別だ。物凄く面倒くさい。こちらは話したくもないのに一方的に話しかけられたりした時なんか正直やってられない。だから俺はあくまで第三者というポジションを貫き通していた。けれども彼は俺とは逆に毎日毎日にこにこと笑っていて、疲れたりしないのだろか。


誤解されるのは嫌だから先に言っておくけど、俺は別に彼のことが嫌いとは思っていない。むしろ、興味があった。



(………話してみたい、な)



そうは思うものの、実際彼に話しかけるなんてことはこの先あり得ないだろう。俺はあまりにも周りとの距離を置きすぎた。今更クラスの(学校中の、とでも言うべきか)人気者の彼に話しかけたところでどうなる。拒絶、なんてことは彼は絶対にしないと思う。恐らく他の奴らと同じように笑いかけられるのだろう。


(それは、嫌だ)


周りと同じ扱いは嫌だ。それならいっそのこと拒絶するなり何なりとして俺を特別扱いしてほしい。どんな意味でも良いから彼の中で特別なポジションの人間になりたい。歪んでるって?笑いたければ笑うが良いさ。







彼が転校する、という噂を聞いたのは高校入試を間近に控えた2月のことだった。








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なんとかまとめきれたらなぁ、と思います


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