06.15文字以内で




06.15文字以内で

・雪燐





「日頃お世話になっている僕に対して兄さんから何か感謝の言葉がほしいです」

「…何があったんだ?って、おい!お前なんか酒臭ぇぞ!?酔ってんのか!?」

「は?僕が酔ってるわけないじゃない。馬鹿言ってないでさっさと答えてよ兄しゃん」

「待て待て待て!今『兄しゃん』って言わなかったか!?完全に酔ってるって!」

「だから酔ってないって言ってるだろ。ほら、早く言えってば」

「何で命令形なんだよ!つーか急に感謝の言葉を言えなんて言われても浮かばねぇし」

「因みに15文字以内でよろしく」

「文字数制限!?そんなのあんのか!?」

「なに、制限時間もつけてほしいの?」

「やめろ!っつか、近寄んな!お前の体温あっつい!」

「熱くないし。兄さんが冷たいんだろ」

「あぁもう、冷静になってくれ雪男!兄ちゃんは今のお前がめちゃめちゃ怖ぇよ!」

「僕としては兄さんが可愛すぎて怖いんだけど」

「意味わかんねぇこと言ってねぇで早く俺の上から降りろ!まじ熱い…って、ちょっと雪男君…?」

「なに?」

「なに?じゃねぇよ!自然な流れで俺のシャツん中に手ぇ入れるなコラ!」

「兄さんがなかなか言おうとしないから襲おうかと思って」

「くっそお前何でこういう時に限ってちょっとカッコいい声出すんだよ…!」

「え、兄さんってMなの?」

「違ぇよ馬鹿!!」

「馬鹿…?…ほらほら、早く言わないと苦しい思いをするのは兄さんなんだからね?」

「うわあああどこ触ってんだ!!?」

「ねぇ、早く言ってよ。それとも兄さんは僕に感謝してないっていうの?」

「か、感謝はしてる、けどっ!改まってってなると恥ずかしいんだよ!」

「ふーん…?じゃあさ、これでいいでしょ?」

「ぎゃっ!?な、ななな何だよ!?いきなり抱き着くなよびっくりすんだろ!?」

「こうしたら顔見えないし、少しはマシかなと思って」

「…いや、なんつーか、これはこれで恥ずかしい…」

「まぁたしかに、兄さんの心臓の音が聞きやすくなったってのは事実だよね」

「あぁもうっ!15文字以内だろ?15文字以内なら何でもいいんだろ?」

「それはどうでしょう」

「黙れよホクロメガネ」

「何か浮かんだの?」

「……い、一応浮かんだ、けど…これはなし!駄目、絶対!」

「気になるなぁ…じゃあ、それ言ってくれたら一発OKにするからさ、言ってよ」

「いつから評価式になったんだこの話は!?」

「いいから。もう、いつまで待たせる気?」

「〜〜っ!…ゆ、」

「ゆ?」

「ゆ、…雪男の好きにしてください」

「っ!兄さん…っ!」

「…なーんて言うわけねぇだろぉぉおお!!」

「いだっ!?ちょっ、急にヘッドロックしないでくんない!?」

「お前、途中から酔い覚めてただろ!」

「………チッ」

「舌打ちしたなこの野郎!!くそっ…少しでも流されかけた俺が馬鹿だった…((ボソッ」

「何か言った?」

「言ってねぇよ!さっさと風呂入って来い!デリカシー無さ男メガネ!」

「いや、意味わかんないから」




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お題配布元『確かに恋だった


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