05.待ち伏せ失敗? 05.待ち伏せ失敗? ・雪燐←志摩+勝呂 「おう志摩お前こんなとこにおったんか。はよ帰るで」 「しぃっ!坊静かにしてくださいよ、バレてしまいますやろ」 「はぁ?何をこそこそやっとんねん気色悪いな…」 「ふっふっふー。実はもうすぐここを奥村君が通るんですよ」 「……で?」 「も〜ほんま坊は昔っから察しが悪いんですから…」 「うっさいわボケ!」 「待ち伏せしとるんです、奥村君を」 「じゃあその傘は何やねん。持っとるんやったら差せや。ずぶ濡れやんけ」 「ですから、傘を忘れた奥村君が走ってきたら俺の傘に入れてあげるんです。あの奥村君のことやから、今日みたいな突然雨が降ってきた日に傘なんて持ってるわけがないですやろ?」 「あー…まぁ、たしかにそうかもしれんけど…そんなずぶ濡れの状態で傘差し出したら絶対おかしいで。何で今まで差さへんかってんってなるで」 「そこは俺のトークで誤魔化します」 「いやいや無理やろ」 「あっ、噂をすれば奥村君や!ちょっ、坊もはよ隠れてください!」 「うわっお前引っ張んなや!!」 「やべぇええ!雨酷くなってきやがった!雪男に怒られるっ!!」 「ちょっと坊見てくださいよあれ!奥村君の制服が雨に濡れて透けてますよ!わわわヤバいこれはエロい!!」 「自分の姿を見てみ、同じ状態になっとるで」 「近づくにつれてどんどん鮮明に…っ!うわあぁああ奥村君のちくb「言わせへんで!?」」 「兄さん!!」 「「!!?」」 「あっ!雪男!迎えに来てくれたのか!」 「そうだよ。もう、今日は雨が降るかもしれないからちゃんと傘を持って行けってあれほど言ったのに」 「悪い、ここ最近ちょっと耳が悪くてさ」 「悪いのは頭の方だろ」 「何だよっ!うっせーなホクロメガネ!」 「うるさいのは兄さんだろ。あんまり騒ぐと傘に入れてあげないよ」 「ちょっ!待てよ!」 「流石奥村先生やな。同じ双子とは思えへんぐらいしっかりしてはるわ…」 「ほんまに。めちゃめちゃ計算高いわ…」 「計算?何がや」 「迎えに来たんやったら奥村君の分の傘も持ってくればえぇのに、わざと自分の差す分しか持ってきてはりませんでしたやろ?」 「たしかに…」 「あれ、奥村君と相合傘するためにわざと持って来ぉへんかったんですよ…」 「……まじか」 「まじもまじ、大まじですよ…あぁああぁあ!もう!俺の苦労は何やったんですかぁ!?」 「なんちゅーか…濡れ損やな」 「待ち伏せ失敗って言ってもろた方がまだマシですぅ!」 「…ほれ、俺の傘ん中入れや。子猫丸も待たしてるし帰るで」 「うぅっ…!坊が男前すぎて、俺は…俺は…っ!」 「泣くなや面倒くさい」 「ねぇ、兄さん」 「何だよまた小言か?」 「そうじゃなくて…尻尾、透けて見えてるよ」 「ぎゃっ!?まじで!?」 「うん、あとちくb「早く帰ろうぜ!」」 「…うん、そうだね」 ******** お題配布元『確かに恋だった』 [*前] | [次#] ← |