02.アイス食べる?




02.アイス食べる?

・雪燐+京都組





「俺、ゴリゴリ君のソーダ味!」

「ほんなら俺は抹茶小豆バー」

「子猫丸はどうすんだー?」

「でも、なんや悪いなぁ」

「気にせんでもえぇて。賭けに負けよったコイツが悪いんやさかい」

「そうそう。ババ抜きに負けた志摩が悪い」

「坊も奥村君もほんま冷たいお方や…」

「じゃ、じゃぁ…僕はボンボンアイスのバニラで」

「ぼんぼんあいす…?んだよ、それ」

「奥村君知らんのん?」

「え?あぁ、うん」

「ったく、んなことも知らんのか…これやこれ。このゴムの中にアイスが詰まっとって、ここの先っぽの部分切って吸い出すんや」

「へぇ…初めて見た。俺普段はゴリゴリ君しか食わねぇし」

「奥村君は好きなもんを飽きるまで食べ続けはるタイプやね」

「全っ然飽きる気がしねぇけどな!」

「ほれ、はよぉ会計済ませてこいや」

「うわーん!子猫はーん!坊がジャイアンみたいになっとるー!」

「まぁまぁ」

「…ん?あれ、雪男じゃね?」

「あれ、ほんまや。奥村先生やないですか」

「兄さん!!」

「えっ、なに、何でそんな走ってきて…って、何かあったのか!?」

「今日は僕も仕事が早く終わるからって夕飯の買い物に誘ったのはどこのどいつだよ!」

「………あ、」

「奥村君…それは若先生も怒りはるわ…」

「ち、違うんだ雪男!これにはわけが…」

「あんだけ教室で待っててって言っておいたのに楽しそうに買い食いしてるだなんてさ…。兄さんを待たせるのは悪いと思って待ち合わせ場所に走って行った僕はなんて愚かだったんだろう」

「とりあえず謝っとけ奥村。なんや知らんが、俺、こんな鬼気迫る奥村先生見たん初めてやで」

「そ、そうですよ奥村君!今の話を聞く限り、約束を破ってしもた奥村君に非があると思いますよ」

「大体いつもいつも兄さんって僕の話を全く聞かないよね。それどころか聞こうともしないんだから。この間だってシャンプーを取ってって言ったのにボディソープなんか渡してきてさ。何なの、嫌がらせなの?僕の髪をバッキバキにしたいの?そういえば前に僕の髪の毛がサラサラでずるいなんて言ってたけど、あれも兄さんが僕のリンスを使えばっていう言葉を聞いていないだけだからね。それとも何?そんなにお仕置きされたいの?それならそうと直接口で言ってくれなきゃわかんないんだけど」

「お、おおお奥村君!若先生が怒りで我を忘れてはる…!俺らのためにも謝って!今すぐ!」

「お、おう…。…雪男、その…」

「この期に及んで何か言い訳でも?」

「あの…その、だから…」



「………アイス、食べる?」



「「「「素直に謝(ってください)れ(よ)や!!!!」」」」




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お題配布元『確かに恋だった


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